公務員に対する懲戒の新制度が2日に施行された。過失による違法行為により懲戒が審理されている間に、審理対象である公務員が退職や退役を申請することを禁じ、突然の退職で責任追及を逃れようとすることを防ぐ。
新たな制度は公務員の懲戒免職のメカニズムを確立、過失による違法行為を犯した者は最高で免職処分とし、生涯公職に就くことをできなくした。旧制度では最高でも解職で、再び公務員として働くことが可能だった。その場合、勤務年数も有効とされ計算に加えられた。
司法院(中華民国の最高司法機関)は2日午前、公務員懲戒新制度の施行にあたって記者会見を開催。司法院の林錦芳秘書長は、公務員懲戒法は国が公務員の違法行為や過失を追及し、政府官僚を戒めるための重要な法律だとし、新制度の施行により、懲戒の実効化、組織の法廷化、行き届いた手続きの三つの目標が達成されるよう希望した。
今回の法改正の重点は、免職、退職(退役)金の減額、罰金の三つの処分を新たに加えたこと。また、最も深刻なケースでは退職金の全額取り消しと、すでに受け取った部分の返還請求も可能となる。罰金の上限は100万台湾元(約326万日本円)。
公務員懲戒委員会(司法院の下部組織)は司法院大法官会議による憲法解釈の結果に従って法廷化された。5人の委員による合議審を進める。懲戒委員会に送られた公務員は弁護士を選ぶ権利がある他、審理の場で自ら陳述することも可能。
この他、迅速な処分を確保するため、審理案件が犯罪の成立に関わる場合、公務員懲戒委員会による合議審は刑事裁判での一審判決が出た場合でもそれを理由に審理をストップさせてはならず、懲戒の審理が懸案となって結審しない状況を防ぐこととしている。