馬英九総統は9日、台湾で手足口病などを引き起こすエンテロウイルス(中国語では腸病毒)の感染報告が増えていることを受け、国家安全上層部会議を招集した。会議では衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)の蒋丙煌部長(大臣)が、感染拡大防止に関する医療措置について報告を行った。会議にはこのほか、呉敦義副総統、張善政行政院長(首相)、国家安全会議(国家の安全保障政策を決定する総統府の直轄機関)の高華柱秘書長、総統府の蕭旭岑副秘書長や、教育部(日本の文部科学省に類似)、国軍退除役官兵輔導委員会(退役軍人の行政を所轄する機関)、国防部(日本の防衛省に相当)など関連省庁のトップが同席した。
衛生福利部によると、現在、エンテロウイルス感染が原因で受診する患者が増加しており、先週には流行期に突入した。現在のところコミュニティーで感染が拡大しているのはエンテロウイルスに属するコクサッキーウイルスA群が多く、重症化しやすいエンテロウイルス71型が大流行する兆しはまだ確認されていない。衛生福利部は、「全体的に見ると、軽い症状のウイルス感染が拡大しており、重症化しやすいウイルス感染については横ばい状態」と説明している。
馬総統は9日に招集した国家安全上層部会議において、エンテロウイルス感染症が流行期に入ったことから、衛生福利部及び行政院(内閣)の関連省庁は十分に警戒し、万全の準備で対応に当たるよう指示した。