ケニアやマレーシア等の第三国で発生した電信詐欺事件に関与したとされる台湾出身者が中国大陸に「強制送還」された事件について、法務部(日本の法務省に相当)国際及両岸法律司の陳文琪司長ら一行12名は12日夜、中国大陸の広東省珠海市を訪れ、中国大陸「公安部」と2回目の協議を行った。これは、4月21日に行われた1回目の協議に続くもの。
今回の中国大陸での協議で得られた具体的成果は下記のとおり。
一、台湾の代表団は、中国大陸側の説明を受け、ケニア及びマレーシアで発生した詐欺事件の全容、犯罪組織、関与した被疑者、捜査の進ちょく状況などを知ることができた。そのうちケニアでの詐欺事件に関して、中国大陸側はすでに捜査を終えており、「検察院」へ送致し、起訴の是非を審議している。
二、台湾と中国大陸は、当該の2つの事件に関する証拠や情報を相互提供しており、台湾側は中国大陸の被害者に関する調書等の証拠資料を取得した。
三、台湾と中国大陸は、前掲の2つの事件に関してそれぞれ担当者を指名し、引き続き合同捜査を行うこととする。
四、台湾の代表団は、マレーシアでの詐欺事件に関与したとされる台湾出身の被疑者と、カメラを通して面会を行った。
五、今後の協力方法として、下記のコンセンサスを得た。
1.中国大陸側は「台湾海峡両岸共同犯罪取り締まり及び司法互助協議(協定)」の枠組みの下、台湾出身の被疑者とその家族が面会できるよう、速やかに手配することに同意した。
2.台湾と中国大陸は、捜査の進ちょく状況に応じて、前掲の2つの事件に関する証拠資料を引き続き提供し、逃亡中の共犯者を共同で捜索する。
3.台湾と中国大陸は前掲の協定の枠組みの下、被害金品の捜査、追跡、取り戻しに積極的に協力し、被害者の損害を補てんする。
4.台湾と中国大陸は、前掲の2つの事件の捜査が一段落した後も、第三国で発生する越境型犯罪の刑罰に関する原則について引き続き話し合いを行う。