がんの早期発見は治療の重要なカギを握る。台湾の最高学術研究機関、中央研究院の研究チームはこのほど、世界初となるナノレベルの分子ダム(molecular dam)を作る技術と、ナノレベルの分子を捕獲する技術(electrode nanogap)を開発した。これは、1滴の血液があれば、前立腺がんかどうかが30秒で分かるというもの。早ければ5年から10年で商品化にこぎつけたい考え。
科技部(日本の文部科学省に類似)による経費助成を得て、中央研究院物理研究所の周家復研究員が率いる研究チームは、半導体の製造工程で利用するナノテクノロジーと、マイクロ・ナノレベルの流体制御プラットフォーム(Nanofluidics)を組み合わせ、世界で初めてナノレベルの分子ダムを作る技術と、ナノレベルの分子を捕獲する技術を開発した。
周家復研究員によると、順調であれば5~10年以内にこの技術を応用して、がんなど慢性疾患や心血管疾病などの検査を行うことができる。また、ウイルスやインフルエンザの検査、一般の健康検査への応用も可能で、5~10年以内には商品化できる見通し。