総統府の黄重諺報道官は26日、総統府は「原住民族転型正義委員会(先住民族『移行期の正義』委員会)」を設置すると明らかにした。「移行期の正義」とは、民主化後の社会が過去の人権侵害に対して被害者の名誉回復や補償を行ない、正義を実現すること。黄報道官は、国家と先住民族との関係は極めて厳粛に向き合うべき問題だとし、他国が先住民族の歴史の真相をいかに究明し、先住民族と和解を進めたかを参考にする考えを示した。
黄報道官は、蔡英文総統が国家を代表して先住民族に正式な謝罪を行なう考えをこれまでに公の場で重ねて表明してきたことを指摘。黄報道官によると、蔡英文総統は総統選挙期間中、今年8月1日の「先住民族の日」に正式に謝罪すると述べている。蔡総統はまた、先住民族の歴史の真実を明らかにし、和解すると共に、「移行期の正義」を目指すことも約束した。
黄報道官は、先住民族の歴史の正義、「移行期の正義」を推進する上での基本原則として、「先住民族」に対する定義付けは政府の認定に限らないことを強調。これは「先住民族」の中に、歴史上、深刻な権利の侵害を同じように受けた「平埔族群」も加えていくという考え。また、この政策の推進では、先住民族の種族の規模に関わらず、平等に参与させ、民間と学術界の協力をより着実なものにするという。中華民国(台湾)政府は先住民族認定を行なっているが、一般的に平地で暮らしていたとされる人たちは一部を除いて先住民族認定されず、「平埔族群」と呼称されている。