太陽光発電に使用するシリコンウエハのメーカー、中美矽晶製品株式会社(Sino-American Silicon Products Inc., SAS)で首席上級技術顧問を務める藍祟文氏がこのほど、結晶成長国際機構(International Organization of Crystal Growth:IOCG)のLaudise Prizeを受賞した。同賞は結晶成長技術の分野におけるノーベル賞とされるもので、台湾の学者による受賞は初めて。
SAS株式会社によると、IOCGのLaudise Prizeは3年に一度贈られる。主には技術面での貢献者を表彰することが目的。藍祟文氏は太陽光発電に利用する高効率の結晶成長技術の面で画期的な研究成果を上げた他、結晶成長メカニズムの分析とシミュレーションも受賞のカギとなった。
SASは2011年より国立台湾大学(台湾北部・台北市)と産学提携を進めており、研究開発チームは台湾大学化学工学科の終身ディスティングイッシュトプロフェッサー(抜群教授)である藍祟文氏の指導を受けながら、新たな結晶成長技術の開発に共同で当たっている。
藍祟文氏の受賞についてSASは、これは同社の栄誉でもあると喜ぶと共に、産学提携によって双方共に利益を得る模範的なケースだと指摘、また、台湾が結晶材料に関する研究開発と製造の面で持つ能力が世界に認められたことを示すと強調した。