「長期介護十年2.0計画」は蔡英文総統の重要な政策の一つ。衛生福利部(日本の厚労省に類似)は18日、向こう4年以内に台湾全域で2,529カ所の「巷弄長照站(街角長期ケアステーション)」を設置し、臨時預かりや食事を一緒にするなどのサービスを提供することで、長期介護のカバー率を現在の35%から50%以上に引き上げる方針を明らかにした。
衛生福利部の呂宝静政務次長(副大臣に相当)は、従来、日常生活が中度または重度に困難な人のみを対象としていたケアサービスを、「長期介護十年2.0計画」ではさらに拡げると述べ、小規模多機能サービスを重点として、認知症患者へのサービス、並びに先住民族地区のコミュニティにおける統合型サービス、そして日常生活が難しくなることへの予防、症状の緩和も加えていくことを明らかにした。
また、長期介護サービスの対象を4種類増やす。新たに加えられるのは、50歳以上の認知症患者、55歳から64歳までで日常生活に支障のある平地先住民族、49歳以下で日常生活に支障のある身体障害者、65歳以上で体の弱った高齢者。サービスを受けられる人は現在の51万1,000人から73万8,000人に増える見通し。
呂政務次長は、日常生活が難しくなると社会から疎外されることがこれまで多く見られたことから、今後はコミュニティ全体でケアしていくモデルを推進すると説明、実行する組織は、Aレベルのコミュニティ統合型サービスセンター、Bレベルの複合型デイサービスセンター、Cレベルの「巷弄長照站」。
Aレベルのコミュニティ統合型サービスセンターは、病院、デイサービスセンターなどで、いわば「長期介護のフラッグシップ」。区域内での送り迎えの他、デイサービス、居宅介護サービス、臨時預かり(宿泊)、補助用具サービスなど少なくとも5項目のサービスを提供する。Bレベルの複合型デイサービスセンターは地方の衛生所(保健センター)のような場所で、昼間の高齢者の預かりや、生活機能のリハビリなどを行なう。
Cレベルの「巷弄長照站」は、「基金会」や「認知症患者の娯楽拠点」のような存在で、あちこちに多数設置して臨時の預かりや、一緒に食事をするサービス、また、食事の配送など予防性の保健サービスを提供する。向こう4年以内に2,529カ所を設置し、家に閉じこもりがちなお年寄りの外出を促すことで、介護者の負担を軽減すると同時に、高齢者たちの社会参加も目指していく。