8月1日は中華民国(台湾)の「先住民族の日」。蔡英文総統は総統選挙期間中に示した公約を果たし、総統として先住民族に謝罪した。総統府内で執り行われた、このためのセレモニーには、「過ちを認めること、真相を明らかにすること、和解すること、具体的な改善策を実施すること」という要素が込められた。
蔡総統は総統選挙期間中、当選した暁には総統の身分で政府を代表して先住民族に謝罪すると公約した。当時、蔡総統は、先住民族は様々な政権による不公平な扱いを受けてきたとし、総統として謝罪することは先住民族こそがこの土地の主人であることを尊重するばかりでなく、問題に向き合って解決を目指すスタートになると述べた。
国家安全会議の姚人多諮問委員は、蔡総統は新旧政権を代表し、これまで先住民族を傷つけてきたことを謝るのだと指摘。謝罪はどの時代の政権が最も大きな責任を負うべきかを追及するのではなく、過去に犯した全ての過ちを認めることの始まりだと説明した。
蔡総統が謝罪文を読み上げると先住民族の代表がその場でそれに応え、双方が誠実を誓うしるしの品を交換。会場では蔡総統と先住民族代表が対等な形で立ち、双方が対等な地位にあることを示した。