2024/09/28

Taiwan Today

文化・社会

美しさ溢れる客家の染物技術-藍染

2013/07/12
「藍染」で作られたクッションなど。現在では衣服だけでなく様々な文化クリエイティブ商品に発展し、広く歓迎されている。台湾のソフトパワーの一つ。(行政院客家委員会サイトより)
「藍染」は布を藍色の染料で染める技術を表す言い方で、この布で作られた衣服は台湾南部の客家の女性たちの伝統的な服である。客家とは台湾で二番目に大きいエスニックグループ。これらの染料は、「大菁(山藍)」、「蕃菁」、「木藍」等の植物を原料とし、採取→水に浸す→藍液を作る→染める、といういくつものプロセスを経てようやく完成する。 台湾で昔、藍染の染料に使われた植物は「木藍」と「山藍」である。「大菁」とも呼ばれる「山藍」の栽培はかつて、台湾北部の大屯火山群の陽明山国家公園内が中心で、その後は中北部の山々へと広がった。現在、比較的多くの人に藍染産業の代表として認識されているのは、台湾南部・高雄市美濃区の客家「藍衫(藍染の衣服)」と台湾北部・新北市三峡区(旧「三角湧」)の藍染技術であろう。 三峡は山藍の主要な産地である他、三角湧渓には布を染めるのに適した良質な水がある。また、三峡渓とその支流の中埔渓の河畔は布を洗い、乾燥させるのに理想的な場所である。淡水河の水上輸送は大変便利で、藍染の布は途切れることなく、中国大陸のアモイ、漳州、福州、上海などに大量に運ばれた。三峡区は清朝における台湾北部で最も重要な染物業の中心だった。 現代の藍染は従来型の手工芸としてのテーマの枠を飛び越え、藍色に異なる姿と命を与え、台湾の伝統的な産業に新たな機会をもたらしている。

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