文化部文化資産局によると、王爺信仰にまつわる行事は盛んに行われているが、王船の木造技術と糊紙(張り子)技術、および民俗武芸は台湾の社会構造や環境が激変したことによって、新しく受け継ぐ人がおらず、伝承の危機にさらされている。
こういった現状を受け、文化部は14日、「台湾王爺信仰文化資産3年保護計画」を策定、3年間で1,000万台湾元(約3,369万日本円)を投じ、伝承の危機にさらされる王船の木造技術と張り子技術、民俗武芸といった文化遺産の保存に取り組む。
具体的には南部の高雄市の茄萣金鑾宮で木造の王船を手掛ける蘇春発さん、張り子技術を持つ北西部・新竹県の劉興星さん、離島の澎湖県の王旭昇さん、許松徳さん、金門県の翁文標さん、翁文林さんなどに指導を仰ぐ。また、王爺信仰の武芸伝承計画では、各県市で王爺信仰にまつわる蜈蚣陣や白鶴陣、金獅陣など20の民俗武芸を対象とする。
なお、文化資産局は5月30日から7月27日まで、中部の台中文化クリエイティブ産業パークの雅堂館において、「代天巡府―台湾王爺信仰特別展」を開催、王船や醮典科儀、巡礼や焼香、火を放つ王船送りなどにさまざまな儀式を紹介する。