2024/05/17

Taiwan Today

文化・社会

王爺信仰にまつわる技術や武芸の継承、文化部が3年計画

2014/05/20
道教信仰の中でも、多くの人の信仰を集める王爺と媽祖は、俗に「南の王爺、中部の媽祖」と言われるほど盛ん。写真は3年に1度行われる、屏東県の東隆宮の「東港迎王平安祭典」のクライマックス。(屏東県政府文化処サイトより)
台湾では道教信仰の中でも、多くの人の信仰を集める王爺と媽祖について、俗に「南の王爺、中部の媽祖」、「旧暦3月は媽祖フィーバー、4月は王爺の生誕祭」と言われるほど盛んである。文化部(日本の省レベル)は現在重要民俗文化財として14の行事を指定しているが、うち王爺信仰にまつわるものが3つ含まれ、それぞれ特色を持っている。台湾最南端、屏東県の東隆宮の「東港迎王平安祭典」は3年に1度行われるもので、福と無病息災を祈るため、王爺を乗せ火を放って天に送る「王船」が登場する。王船は昔ながらの方法に忠実に建造され、東港は「王船の故郷」とも呼ばれるようになっている。

文化部文化資産局によると、王爺信仰にまつわる行事は盛んに行われているが、王船の木造技術と糊紙(張り子)技術、および民俗武芸は台湾の社会構造や環境が激変したことによって、新しく受け継ぐ人がおらず、伝承の危機にさらされている。

こういった現状を受け、文化部は14日、「台湾王爺信仰文化資産3年保護計画」を策定、3年間で1,000万台湾元(約3,369万日本円)を投じ、伝承の危機にさらされる王船の木造技術と張り子技術、民俗武芸といった文化遺産の保存に取り組む。

具体的には南部の高雄市の茄萣金鑾宮で木造の王船を手掛ける蘇春発さん、張り子技術を持つ北西部・新竹県の劉興星さん、離島の澎湖県の王旭昇さん、許松徳さん、金門県の翁文標さん、翁文林さんなどに指導を仰ぐ。また、王爺信仰の武芸伝承計画では、各県市で王爺信仰にまつわる蜈蚣陣や白鶴陣、金獅陣など20の民俗武芸を対象とする。

なお、文化資産局は5月30日から7月27日まで、中部の台中文化クリエイティブ産業パークの雅堂館において、「代天巡府―台湾王爺信仰特別展」を開催、王船や醮典科儀、巡礼や焼香、火を放つ王船送りなどにさまざまな儀式を紹介する。

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