2024/04/30

Taiwan Today

政治

台湾の新型コロナウイルス感染者が累計50人に

2020/03/13
中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当)の陳時中指揮官は13日、台湾における新型コロナウイルス感染者が累計50人となったことを明らかにした。新たな感染者は欧州旅行からの帰国後に症状が出た北部在住の40代女性と、アメリカからやってきた友人と会ったあとに症状が出た中部在住の米国籍50代男性。写真は12日の記者会見のもの。(中央社)
中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当。中国語の正式名称は中央流行疫情指揮中心)の指揮官を兼務する衛生福利部(日本の厚労省に類似)の陳時中部長(=大臣)は12日、台湾における新型コロナウイルス感染者が1人増え、累計49人となったことを明らかにした。新たな感染者は台湾北部在住の40代女性。また、13日には感染者がさらに1人増え、累計50人となった。
 
12日に感染が発表された40代女性は発症前、ヨーロッパの複数の国を訪れていた。2月21日に台湾を出発し、イギリス経由でアイルランドを訪れ、3月4日からはベルギーへ。3月7日にベルギーを出発し、トルコ経由で3月8日に台湾に戻った。帰国直後は症状がなかったが、その後、頭痛と倦怠感、のどの痛みなどの症状を感じ、10日に医療機関を訪れて検体を採取。12日に感染が確認された。
 
直近の海外渡航歴があることから、この女性は海外で感染した可能性が高い。帰国後、医療機関を訪れたほかはずっと自宅におり、外出していないという。また、現在のところ同居家族に新型コロナウイルスに感染したような症状が見られないが、すでに検体を採取している。
 
中央感染症指揮センターはこの女性のアイルランド及びベルギーでの動向を調査すると同時に、女性の同居家族、同じ帰路便を利用した旅客、空港で女性を乗せたタクシー運転手、女性が受診した医療機関の関係者などを濃厚接触者とし、今後の健康状態を観察することにしている。
 
また、13日には台湾中部で働く米国籍の50代男性の感染が確認された。この男性は2月27日、3月4日、7日にそれぞれ悪寒、せき、発熱の症状が出始め、7日に医療機関を受診後、入院した。10日に検体を採取して検査を行った結果、きょう(13日)になって感染が確認された。現在は陰圧室のある病室で治療を受けている。
 
この男性は2月24日、アメリカからやってきた2組の夫婦(4人)と会っている。そのうち1組の夫婦の一方が同日、震え、せき、倦怠感などの症状を訴えていた。夫婦のもう一方も2月26日の台湾出国後、同様の症状が出始めた。また、この夫婦のアメリカ在住の家族について、3月10日に新型コロナウイルス感染が確認された。もう1組の夫婦の一方についても、2月26日に台湾を離れたあと呼吸器官の症状が出ているという。こうしたことから、この50代男性はアメリカからやってきた友人から感染した可能性が高い。
 
中央感染症指揮センターはこの50代男性の濃厚接触者64人を特定。現在、その健康状態を観察している。また、この男性とアメリカからやってきた2組の夫婦(4人)の2月24日の行動についても把握している。今後はさらに、この4人の台湾でのその他の行動についても調査するとしている。
 
なお、今月10日深夜から11日未明にかけて台湾に到着した中国・湖北省武漢市からのチャーター機2機の搭乗者361人は、11日までに全員の検体採取を終えた。現在のところ、新型コロナウイルスに感染したような症状を訴える人はいないものの、引き続き全員を集中隔離施設に滞在させ、健康状態の観察を続けている。
 
国家交響楽団(NSO)の招きに応じて台湾でのコンサートに出演し、帰国後に新型コロナウイルス感染が明らかになったオーストラリア人の音楽家については、濃厚接触者418人(うち146人は在宅隔離)中48人から検体を採取し、いずれも陰性だった。
 
台湾北部の医療機関で発生した「クラスター」と呼ばれる集団感染のうち、台湾で累計34人目となる感染者の濃厚接触者は453人で、うち405人から検体を採取し、8人が陽性、397人が陰性となっている。
 

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