2024/05/05

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政治

蔡総統、政策により女性の労働力率の向上目指す

2016/11/15
蔡英文総統(写真)は14日、台湾北部・台北市内で開催された「国際女性評議会(International Council of Women:ICW)執行委員会及び座談会」のあいさつで、女性の労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口)を引き上げることを重要な政策の一つとし、政治主導によって既存の社会構造を徐々にほぐし、女性がより平等な立場で社会、経済、政治などの発展に参与する機会を得られるようにしたいと述べた。(中央社)

蔡英文総統は14日、台湾北部・台北市内で開催された「国際女性評議会(International Council of Women:ICW)執行委員会及び座談会」のあいさつで、女性の労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口)を引き上げることを重要な政策の一つとし、政治主導によって既存の社会構造を徐々にほぐし、女性がより平等な立場で社会、経済、政治などの発展に参与する機会を得られるようにしたいと述べた。

蔡総統によると、国連は今年、「持続可能な開発目標」として17項目の目標を掲げており、そのうち第5の目標は「ジェンダー平等の達成」となっている。その他の「貧困撲滅」、「質の高い教育」、「持続可能な都市」などの目標においても、ジェンダー平等や女性のエンパワーメントが取り組みの内容に挙げられている。つまり、持続可能な開発を達成するためには、ジェンダー構造もそれに伴って転換すべきであり、女性の政策参与を拡大し、女性による権利取得を支持することは、すでに世界中で重要な共通認識となっている。

蔡総統はまた、中華民国(台湾)は「国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)」に対して2回報告書を提出していると指摘。アジアにおいてはジェンダー平等が非常に進んだ国であり、台湾の社会は女性が地方公共団体に参画することを奨励し、支持していると述べた。

蔡総統はさらに、現在台湾の国会では女性議員の比率が3分の1を超えており、台湾の6つの直轄市のうち、女性が議長を務める自治体は半数に達していると説明。「女性である自分が総統であることも、これを証明する良い例だ」と述べた。

しかし一方で、「女性が総統であるからといって、台湾にジェンダー不平等の問題がないというわけではない」とも指摘。台湾の女性労働力率が35歳以降、急速に下降していることは国家の損失だとした上で、女性労働力率を引き上げることを重要な政策の一つとしていきたいとの考えを明らかにした。

蔡総統はまた、女性の就業と職場の安全に対する法律による保障を積極的に実現するほか、「託児」、「長期介護」、「女性の就業」を「三位一体のケア政策」とする考えを明らかにした。蔡総統によると、家庭を支援するシステムを確立すると同時に、従来のように女性が家庭を守るために過度に大きな責任を負わなくても良いようにしたい考え。

国際女性評議会は1888年に設立。主な目的は各分野における女性の地位を向上することにある。3年ごとに総会を開催しており、2016年の「国際女性評議会執行委員会及び座談会」を主催する「中華民国婦女協会(National Womens’Council of Taiwan, Republic of China:NCW)」は、辜厳倬雲女史(海峡交流基金会の董事長を務めた故・辜振甫氏の未亡人)が1990年6月に台湾における複数の女性団体をまとめて創設したもので、1997年から国際女性評議会に加わっている。

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