2024/04/30

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複合式LRT建設へ、「MRTは必ず基隆に届く」=蔡総統

2017/03/20
蔡英文総統が17日、台北世界貿易センター南港展示ホールと基隆市を結ぶ複合式ライトレール(LRT)を建設すると宣言、基隆市の発展に最大のサポートを行っていく考えを強調した。写真は交通部鉄路改建工程局が欧州視察を行った際に撮影した欧州のLRT。(交通部鉄路改建工程局提供、中央社)
蔡英文総統は17日午後、在来線・台湾鉄道の基隆駅を視察、交通部(日本の国交省に類似)は台湾北部の台北市にある台北世界貿易センター南港展示ホールと基隆市(台湾北部の港湾都市)との間に、欧州に倣った複合式ライトレール(LRT)を建設する計画についての報告を行った。同LRTは台湾鉄道が持つ鉄道用地や施設を利用でき、新規の土地収用が不要だという。名称は「基隆軽軌捷運(基隆ライトレールMRT=MRTは都市高速鉄道)」とする。
 
蔡総統は、基隆市は現在生まれ変わろうとしており、新たに建てられた基隆駅がその証だと指摘、軍港の西岸への移設や港湾の水環境再生、歴史的景観の復活など多くの新たな計画が今まさに進められていると説明した。そして、これらの計画を拡大統合して「基隆市・基隆港再生模範計画」とし、政策面と予算の面で最大のサポートを行っていく考えを強調した。「基隆ライトレールMRT」には80億台湾元(約292億日本円)以上を投じる予定で、蔡総統は、「基隆市にとって過去30年で最大の投資になる」と話した。
 
「基隆ライトレールMRT」は台湾鉄道の七堵駅から南港駅までの第3軌道を利用する。全長19kmで、台湾鉄道既存の8駅以外に、「南港展覧館(台北世界貿易センター南港展示ホール)」を終着駅として新設する。基隆市から台北市に通勤する人たちにはすでに様々な選択肢があり、バス(2088番、1088番)の他、将来的には同市中正区、中山区、安楽区からの通勤用快速バスも計画されている。しかし、鉄道の輸送能力は限界。「ライトレール」はMRTの一種で、導入されれば10分ごとに1本運行されることになり、輸送能力の大幅な向上を実現できるという。
 
「基隆市・基隆港再生模範計画」は台湾鉄道・基隆駅の再開発、バスターミナル建設、基隆港西岸の輸送インテリジェントビル建設などを含む。バスターミナルは向こう2年間で完成、軍港も西岸に移設されることで、市の中心は様変わりすることになる。
 
「基隆ライトレールMRT」が完成すれば、台湾桃園国際空港へのアクセスにもつなげられ、北五堵地区でも新たな国際的研究開発エリアの建設が予定される。基隆市は、行政院(内閣)直轄市(台北市・新北市・桃園市・台中市・台南市・高雄市)以外でライトレールMRTを持つ初めての自治体となる。
 
 

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