2024/04/28

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科技部、5年間でAI研究拠点3~4か所設置へ

2017/07/07
科技部の陳良基部長は6日、科技部の「AI創新研究中心(人工知能イノベーション・リサーチセンター)」の設立計画の始動と、それに伴う国内外からの人材誘致について説明する記者会見を開催した。写真は「AI創新研究中心」の研究範囲を図式化したもの。(科技部サイトより)
科技部(日本の文部科学省に類似)の陳良基部長(大臣)は6日、科技部の「AI創新研究中心(人工知能イノベーション・リサーチセンター)」の設立計画の始動と、それに伴う国内外からの人材誘致について説明する記者会見を開催した。
 
5日の立法院(国会)で、政府が推進する「前瞻基礎建設計画(将来を見据えたインフラ建設計画)」特別条例が可決され、台湾では今後、AIメインサーバー設置計画に50億台湾元(約185億日本円)の予算が投じられることが確定した。ハード設備の設置と同時に、関連の人材を育成し、AIの研究・開発を進める必要がある。
 
科技部はこれに合わせて第一段階の5カ年計画を作成した。毎年10億台湾元(約37億日本円)ずつ投入し、AIの開発拠点となる「AI創新研究中心」の設立を進めるというもので、今後5年間で「AI創新研究中心」を3~4か所設置し、台湾におけるAI人材と技術を蓄積していきたい考え。
 
陳部長は記者会見で、「高報酬で海外のAI人材を誘致」、「専門領域を超えた技術協力チームを発足し、科学技術分野のリーダー人材を育成」、「海外の産学官のエネルギーと連結」するという3つの画期的な方法を提示した。
 
具体的には「AI創新研究中心」の設立に伴い、従来の給与体系から脱却し、AI研究に専念できるプロジェクトの責任者に対して、比較的高額の研究費用を提供する。責任者への報酬は1カ月当たり6万台湾元(約22万日本円)を上限とし、より多くの学者がこの分野に参入することを奨励する。また、プロジェクトに参加する博士課程、修士課程の大学院生に対する研究費用の上限も、1カ月当たり5万台湾元(約18万日本円)に引き上げる。これにより、国内外トップクラスのAI人材を引き付けられるような環境を作り上げる。
 
このほか、各学校がより多くの研究員を招へいするよう奨励するため、研究員に対する給与を学校自身が制定できるようにする。これは、海外と同レベルの給与条件で、優秀な人材を引き付けることができるようにするのが狙い。
 
陳部長は、「AI創新研究中心」は超領域、組織横断型のセンターだと強調した上で、台湾にとってAIの重要性は、ICT産業への応用であり、「AI創新研究中心」の設立によってAI人材の育成やコア技術の向上が実現すれば、台湾は今後、AI産業においてより多くのチャンスを得ることができるだろうと述べた。

陳部長によると「AI創新研究中心」の研究領域は大きく4つあり、チップ、クラウド演算システムなどのハードウエアのインフラ建設、アルゴリズムやビッグデータ分析などの演算技術、金融テクノロジーやスマート製造などのスマート応用分野、それにAI環境を取り巻くクラウド、ネットワーク、エンドポイントにおいてAIを根付かせるための核心技術となっている。
 
なお、科技部はすでに、台湾北部、中部、南部の3か所でプロジェクト募集の説明会を開催し、数百名に上る学者、専門家、企業関係者が参加した。科技部では、これにより国内外の学者、専門家300名余りがAI技術の発展と応用に関する研究に参加し、3,000名に上る人材を育成することができると予想している。
 

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