台湾で公式に認められた16の先住民族の言語で放送するFMラジオ「Alian96.3」（原住民族広播電台）が9日にスタートする。16の先住民族の言語による番組を放送するほか、毎時0分に放送されるニュースは、各言語が週替わりで担当する。
ラジオ局の運営主体である財団法人原住民族文化事業基金会によると、放送する番組は、総合、音楽・エンターテインメント、グルメ・料理、社会、観光・旅行、国際時事、親子・教育、芸術、運動・健康など15分野にわたる。
愛称の「Alian」はパイワン族の言葉で「良い友達」という意味。このラジオ局が人々にとって「良い友達」となることを期待している。また、台湾のほぼ全土をカバーできる高出力の優位性を利用し、台湾の先住民族が各地で育んできた多元的な文化を大々的に伝えたいと考えており、リスナーの生活に寄り添った番組だけでなく、各界が先住民族の問題に関心を持てるような話題も提供していく。
「Alian96.3」は全国94％以上の先住民族集落をカバーし、先住民族の75％が聴取することになると見込んでいる。先住民族以外のエスニックグループに対して、先住民族の声を届けるほか、先住民族同士の絆を強め、自然災害情報を伝え、防災を呼びかけ、災害時の人命救助のシステムとなり、先住民族集落に住む人々の生命と財産の安全を守ることを目指す。
将来的には公式サイトにポッドキャスト(Podcast)機能を追加し、いつでもどこでも番組を聞けるようにしたい考え。