2024/05/05

Taiwan Today

政治

立法院、有機農業促進法を可決

2018/05/09
雲林にある有機栽培による農場。各県市政府は有機栽培による農産品の生産を促進する。(雲林県政府電子報サイトより)

「有機農業促進法」は8日、立法院(国会)における三度目の審議(三読会)を通過した。関連条文によると、有機農業による農産物は、認証を受ける必要があり、かつ品名、原材料、栽培者、原産地、認証機関、認証を受けた証明書ナンバーを明確に表示しなければならない。もしも認証を受けずに有機農産物をかたった場合、農家に対しては最高60万台湾元(約220万日本円)の罰金、認証を受けずに有機農産物の商標を使用した者に対して最高200万台湾元(約730万日本円)がそれぞれ科せられるという。

 

条文にはまた、有機農業とは、生態系のバランスや栄養循環の原理に基づき、農産物に対して化学肥料や農薬を与えず、遺伝子組み換え技術を利用せずに、農業、林業、水産業、畜産業などの農産品を生産する農業だと明記されている。

 

さらに同法では、中華民国政府が、持続可能な農業生産の発展のため、専門の任務にあたる部署を設置し、関連の機関やグループに意見を問い求めるよう定められている。有機農業先進国を目標に掲げ、4年ごとに有機農業促進プログラムを提出、行政院(内閣)の承認を受けてから実施する計画だ。

 

行政院直轄市6都市(台北市、新北市、桃園市、台中市、台南市、高雄市)、その他の県・市当局は、管理する地区の条件に従って、有機農業促進エリアの設置を年ごとに検討し、実現するよう定められ、共同生産あるいは運営・流通機関も参加できるよう促すとされている。農産物の生産者が、国有地や国営事業の土地を借り受けて有機農業を行う場合、土地の賃貸料の優待や10年以上20年以下という賃貸期間の保障を与えるべきことも明記されている。

 

比較的規模の小さい優良な有機農家は、同法の可決によって、審査・認証を通して、施設の設置、農機具、有機肥料などに対する補助が受けられる。

 

有機農業促進法の可決はいくつかの大きな意義がある。1つ目は台湾の20余りのフレンドリーな環境での耕作審査・承認団体は今後、小規模農家に対してもさらに有機農業を広めることが可能になる。

 

2つ目は、現在、有機農業を行う農場の中に、慣行農業を行う農場が混在するということを避けることができ、近隣の有機農園を汚染することを避けることもできる。同法成立後は、有機農業促進エリアの設置を進め、将来的には補助策の実施によってエリア全体を完全な有機農業エリアとして整備していく計画だ。

 

同法成立後はまた、国際的な有機農業認証機関の基準と足並みをそろえることと、相互承認の促進に有利になる。中華民国政府は2年以内に各国と交渉を進め、国家間における有機農産物の「同等性相互認証」を実現する方針だ。現在、欧州連合(EU)、オーストラリア、ニュージーランド、米国と交渉を行っている。日本とは、法規制の同等性についての協議段階で、「同等性相互認証」を実現後、相手国の有機認証機関がその国で認証した有機農産物は台湾の市場でも承認されることになる。


台湾で有機農業の認証を受けた農場は7,700ヘクタール。これに登録済みの小規模有機農家の農場1,300ヘクタール余りを加えれば、合わせて約9,000ヘクタールになり、全国の耕地面積80万ヘクタールの約1%強を占めることになる。

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