2024/05/05

Taiwan Today

政治

侵略の過ちは許せても歴史の真相を忘れてはならず=馬総統

2015/10/26
9月に行なわれた中華民国の抗日戦争勝利70周年記念活動に出席した、抗日戦争で戦った元兵士たち。(総統府サイトより)

今年は中華民国の抗日戦争勝利70周年で、馬英九総統は20日、抗日戦争における著名な軍人、楊宣誠氏の孫で、ケーブルテレビチャンネルTVBSの執行副総経理(副社長に相当)を務める楊盛昱氏の単独インタビューを受けた。

楊盛昱氏は番組の中で、英オックスフォード大学の歴史学者、ラナ・ミッター(Rana Mitter)教授の著書、『忘れられた盟友』を取り出し、第二次世界大戦における中華民国の抗日戦争での貢献について述べた。この書籍のタイトルが、第二次世界大戦において中華民国が果たした役割が不明確で、忘れ去られていることを示しているかのようである点について、馬総統は、抗日戦争勝利後、いくらも経たないうちに国共内戦(国民政府と中国共産党率いる軍との戦い)が始まり、その後も朝鮮戦争、米ソ冷戦と争いが続いたことで、第二次世界大戦における中華民国軍の貢献は忘れ去られることになったと説明した。冷戦の終結後、学者たちはようやく、第二次世界大戦など当初の戦争に立ち戻ることになったという。

抗日戦争で最も感動的なこととして馬総統は、当時の陸軍と海軍には現代的な装備がされておらず、日本軍の機械化された部隊に遭遇すると決死隊が手榴弾を体に巻きつけて戦車の車輪の下に自ら飛び込み、戦車を動けなくすることしかできなかったと紹介。馬総統は、この種のエピソードを聞くと、「農業中国」が「工業日本」に向き合い、力で大きく劣る中でどのように戦わなければならなかったのかを考えてしまうと話した。そして馬総統は、歴史を振り返れば中華民族と日本の民族との間の「仇」は120年を超えており、侵略の過ちを許すことは出来ても、血と涙の歴史を忘れることは許されないと強調した。

馬総統は一方で、台湾において日本が行なった殖民地統治では、嘉南大圳など一部の建設で台湾の農家に恩恵を与えたと説明、これらは当然評価すべきとの見方を示した。そして馬総統は、未来に向けては、こうした「是々非々で、互いの立場を思いやり、恩と仇をはっきりと区別する」態度を堅持してこそ、中華民族と日本の民族は末永い友情を築けるのだと訴えた。

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