馬英九・総統は21日午前、台北市内のホテルで行われた、「新たな競合の時代、アジアはいかにしてさらに成長するか/2016年天下経済フォーラム」に出席した。馬・総統は席上、欧州における債務危機発生後の新たな輸出衰退に向き合い、いかに景気回復を図るかが世界の問題になっているとし、中華民国（台湾）の指導者ならばそれが誰であろうが、何とかして台湾の優位性を見出して再スタートに結びつける責任があると強調した。
馬総統は、アジアの地域経済統合は未曾有の状況になりつつあるとして、TPP（環太平洋戦略的経済連携協定）が昨年12月に基本合意に達し、来月にも署名が完了すること、アセアン経済共同体が昨年12月31日に発足し、徐々に単一市場に向かっていくこと、そしてRCEP（東アジア地域包括的経済連携）も交渉が終わり、年内にも署名が完了することを説明した。
馬総統は、台湾はこれら地域経済統合すべてに参加すべきだがそこには経済面のみならず政治面でも数多くの大きな困難があるとして、全力で立ち向かう必要性を指摘。馬総統は、「自分の総統任期はまだ4カ月ある。わずか4カ月しか残っていないのではない」、「自分の辞書に、『留守を守る』とか『だらける』といった文字は無い」と述べ、政府は（馬総統の任期が満了する）5月19日まで全力でこれらの問題解決に取り組む考えを示した。