中華民国(台湾)と中国大陸が締結した医薬及び公衆衛生に関する協力の枠組み協定「両岸医薬衛生合作協議(Cross-strait Cooperation Agreement on Medicine and Public Health Affairs)」に、初めて大きな進展が見られた。台湾の社団法人国家生技医療産業策進会によると、中国大陸「国家食品薬品監督管理総局」(日本の厚生労働省医薬食品局に相当)は、台湾の台北栄民総医院、三軍総医院、台湾大学医学院附設医院、林口長庚紀念医院の4つの病院が実施した医薬品の治験(臨床試験)データを承認し、中国大陸でこれらのデータを医薬品登録のために使用することができると発表した。
社団法人国家生技医療産業策進会によると、これによりバイオ医薬品の開発企業は、台湾と中国大陸の両方で重複して治験を行う必要がなくなるため、新薬を市場に投入するまでの時間を短縮し、開発コストを抑えることが可能となる。台湾は、アジア太平洋地域における新薬開発の中軸(ハブ)や治験センターとなるための、極めて高い優位性を発揮することができる。
今回の大きな進展について、バイオ医薬品の開発会社である太景生技公司(TaiGen Biotechnology Co.,Ltd.)の董事長(会長)兼執行長(CEO)の許明珠女史は「素晴らしいスタートだ。我々のような台湾と中国大陸の両方で治験を行っている企業にとってはグッドニュースだ。しかしながら、詳細については台湾海峡両岸の当局に問い合わせて確認しなければならない」とコメントしている。