2024/04/29

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政治

「Taiwan AI Labs」設立、官民連携で「台湾AI元年」へ

2017/04/28
国立台湾大学(台湾北部・台北市)在学中に台湾の巨大BBSサイト「PTT」を立ち上げた杜奕瑾さん(右)が、台湾で「台湾人工智慧実験室(Taiwan AI Labs)」を立ち上げた。27日に行われた記者会見には行政院(内閣)の唐鳳政務委員(無任所大臣、中央)、科技部(日本の文部科学省に類似)の陳良基部長(大臣、左)が出席した。(中央社)
国立台湾大学(台湾北部・台北市)在学中に台湾の巨大BBSサイト「PTT」を立ち上げた杜奕瑾さんが27日、台湾で「台湾人工智慧実験室(Taiwan AI Labs)」を立ち上げた。杜奕瑾さんは、米マイクロソフト社で人工知能(AI)の開発に携わっていたが、このほどマイクロソフト社を退職して帰国した。
 
27日に開催された「台湾人工智慧実験室」の開設と、AI開発に携わるエンジニアの募集を呼びかける記者会見には、行政院(内閣)の唐鳳政務委員(無任所大臣)、科技部(日本の文部科学省に類似)の陳良基部長(大臣)が出席。官民提携により台湾製AIの開発に取り組む姿勢が示されると共に、「台湾AI元年」の始動が宣言された。
 
杜奕瑾さんによると、「台湾人工智慧実験室」のメンバーは現在10名ほど。今後1年以内にこれを20人前後に増やしたい考え。スピーチ、イメージ、言語、クラウドサービス、アプリ開発を得意とする人材を募集するという。
 
「台湾人工智慧実験室」は政府からの経費助成を受けておらず、政府の下部組織でもないが、杜奕瑾さんは「PTTと台湾大学の関係と同じように、政府との緊密な協力関係により、多くのインターネット・イノベーションを生み出したい」と語る。杜奕瑾さんによると、「台湾人工智慧実験室」は主に参加型のプラットフォームとして、各方面に対してアイディアや考えを提供し、人材やこれらの考えを一つのプラットフォームにまとめて実行に移すというもの。1年以内に1、2件のプロジェクトを推進し、ある程度の成果が得られたら、これをビジネスモデルの協力に広げていきたい考え。
 
杜奕瑾さんは、2016年に台湾に招かれて講演を行ったときに、台湾のために何をしたいと考えているかと問われ、「台湾人工智慧実験室」の立ち上げを思い立ったという。マイクロソフト社を退職したことについては、「台湾で世界をリードできるチームを作り上げることができるとすれば、マイクロソフトにとどまるより悪くはないだろう」と答えた。
 
陳良基部長は祝辞で、「今年4月初めに訪米した際、世界のAI開発が予想以上に進んでおり、ほとんどのハイテク企業がAIを核心事業に見据えていることを知った。世界の科学技術の発展と足並みを揃えようと思うなら、台湾も一刻も早くAI技術の発展に力を入れ、先手を打つ必要がある」と指摘。杜奕瑾さんが台湾へ戻り、「台湾人工智慧実験室」を立ち上げたことを科技部として歓迎すると共に、これを全力で支援したいと述べた。
 
陳部長はまた、科技部でもAI開発プロジェクトを進めており、50億台湾元(約183億日本円)の予算を投じて、AIの演算処理速化に関する研究基地を設置し、各業界のAI産業参入と人材育成を促すことを計画していると述べた。
 
また、唐鳳政務委員は、「台湾人工智慧実験室」の立ち上げ、ソースコードの公開、オープンデータの活用などを通して、AI産業参入のハードルを下げ、大企業以外の中小企業、社会的企業、NGO、NPO、学校などの組織や団体、あるいは個人などが共にAI産業の発展の成果を共有できるようにしたいと述べた。
 

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