2024/04/29

Taiwan Today

政治

WHA出席認められず強い不満、米『TIME』取材で=陳副総統

2017/05/19
総統府は18日、陳建仁副総統が今月15日に受けた米『TIME』誌記者Nicola Smithによる独占インタビューの内容を公開した。陳副総統はインタビューの冒頭で、(世界保健機関)第70回年次総会(WHA)への台湾の出席が認められなかったことについて強い不満を示した。(総統府サイトより)
総統府は18日、陳建仁副総統が今月15日に受けた米『TIME』誌の独占インタビューの内容を公開した。陳副総統はインタビューの冒頭で、WHO(世界保健機関)第70回年次総会(WHA)への台湾の出席が認められなかったことについて強い不満を示した。WHAは22日にジュネーブで開幕する。台湾には現時点で招待状が届いておらず、出欠回答期限もすでに過ぎている。
 
陳副総統はインタビューの中で、WHAのような非政治的な場に出席するために、「なんらかの政治的な妥協をすることが必要条件になるとは思わない」と強調した。
 
陳副総統はまた、1996年から現在に至るまで、台湾は海外での医療活動や人道支援で60億米ドル余りを投じ、80カ国・地域以上がその恩恵を受けてきたと指摘。「台湾は世界の防疫体制を守るために努力し、その優れた公衆衛生、介護福祉の臨床経験、世界的に有名な国民健康保険制度など多くの情報を積極的に各国と共有し、高い評価を得てきた。こうした努力にもかかわらず、台湾のWHA出席が認められないことは残念なことだ」と述べた。
 
陳副総統はさらに、健康に国境はなく、世界の防疫体制に抜け穴を作ることは、防疫作業の効果を低減することにつながると指摘。今年、台湾はWHA出席のための招待状を受け取ることができなかったが、衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)は予定通り代表団を組織してジュネーブを訪れ、集中的に二国間協議を展開し、台湾と友好関係を持つ国々との協力や交流を深め、台湾がWHAを欠席することによる衝撃を最低限にとどめたいと述べた。
 
さらに、「政治的な対立が、人権や健康の上に立つべきではない。この点は非常に重要だ」と指摘した上で、最近台湾で行われた世論調査で、「92年コンセンサス」の受け入れをWHA出席のための必要条件とする中国大陸の主張について、「受け入れることができない」と回答した人が70%以上に達することを説明した。「92年コンセンサス」とは、1992年11月に台湾海峡両岸双方の窓口機関が、「『一つの中国』の解釈は各自が表明する」ことで合意したとされるもの。
 
また、政治的な干渉が行われることはWHOにとっても良いことではないと指摘し、WHO憲章における「健康を享有することは、人種、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的条件の差別なしに万人の有する基本的権利の一つである」との記載を引き合いに出した上で、中華民国政府はWHO事務局の決定に強い不満を表明し、且つ中国大陸が健康とは無関係な政治的干渉により、台湾のWHA出席を阻害したことについて強く抗議すると述べた。
 
陳副総統はさらに、2003年に爆発的に感染が広がった重症急性呼吸器症候群(SARS)を例に挙げ、当時もう少し早く感染拡大防止に着手できていれば、より戦略的に対応し、且つ患者から検出したウイルスを早く取得でき、感染拡大を素早くコントロールし、感染者を抑えることができたはずだと述べた。
 
さらに、台湾の北の玄関口である台湾桃園国際空港は毎年延べ6,000万人が利用しており、いかなる感染症に対しても、高い警戒心をもって監視する必要があり、台湾にとって感染症に関する最新の情報を把握しておくことは大変重要なことだと説明した。
 

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