2024/05/07

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台湾クオリティが支える航空機エンジン用ねじ

2017/06/23
台湾の豊達科技公司(NAFCO)は、仏パリで開催中の「パリ国際航空ショー(SIAE)」で、航空機用エンジンに使用される締結部品を展示している。まるでジュエリーボックスに並ぶ宝石のよう。(中央社)
仏パリで隔年開催される航空見本市の「パリ国際航空ショー(SIAE)」が、現地時間19日から25日まで開催されており、最新鋭機などのデモンストレーションや見本市会場に展示される最先端のエンジンや設備などが参観者の注意をひきつけている。そんな中、台湾の豊達科技公司(National Aerospace Fasteners Corporation、略称NAFCO)の邱智科総経理が出展しているのは、ガラス製ショーケースに入る程度の小さな商品だ。ショーケースには光沢を帯びたねじが一つ一つ並べられている。ねじと言うよりは、まるでジュエリーボックスに並ぶ宝石のようだ。
 
これらは、航空機のエンジンのために作られた締結部品(ファスナー)である。単価は約2米ドル。一般の産業用ねじの数十倍に相当する。
 
ボーイング737やエアバスA320といった、一般によく見かける小型ジェット旅客機には米GEや仏スネクマが製造したエンジン「CFM56」が搭載されている。世界で最も広く普及している航空機用エンジンの一つで、それに使われているねじが、まさに豊達科技公司が製造したものなのである。
 
一般の産業用ねじの製造に必要な工程は5~6程度だが、航空宇宙産業で使用されるボルトやナットの製造には30以上の工程が必要とされている。高耐熱の高ニッケル合金を使用しているため、コストも付加価値も高くなる。
 
航空機用エンジンに使用するねじのサプライヤーになるためには、3つの課題をクリアする必要があると邱智科総経理は指摘する。まずは品質システム認証、次に特殊工程認証、最後に製品認証を取得することだ。こうして長い年月をかけて、ようやく顧客から全面的な信頼を得ることができるのだという。邱智科総経理は「米GEのような大手企業は、アジアではほかにサプライヤーを持っていないはずだ。豊達科技公司はおそらくアジア初、そして唯一のサプライヤーだろう」と胸を張る。
 

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