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台湾版ウーバー「TaxiGo」、タクシードライバーの労働組合は歓迎

2017/07/14
タクシーの配車サービスを提供する新たなプラットフォーム、「Taxi Go」が12日に正式なサービスを開始。台北市職業運転手労働組合は大いに歓迎する立場を表明している。(中央社)
タクシーの配車サービスを提供する新たなプラットフォーム、「Taxi Go」が12日に正式なサービスを開始した。台北市職業運転手労働組合は大いに歓迎する立場を表明、同組合の鄭力嘉理事長は、「本当の台湾版ウーバー(Uber)だ」と形容している。
 
米国などで展開するウーバーが一般の人たちの自家用車を募って「タクシー」の配車サービスを提供するモデルは、台湾では違法と判断された。台北市職業運転手労働組合はウーバーの参入に重ねて抗議、全力で反対してきたが、「Taxy Go」は完全に支持している。これは「Taxy Go」が合法的で、既存のタクシー会社と提携していることに加え、より簡単な配車サービスになっていること、そして運転手から「仲介料(手数料)」をとらないことが理由。
 
鄭理事長は、「『Taxy Go』は本当の台湾版ウーバーで、タクシーを呼ぶには携帯電話にアプリをダウンロードする必要があるという消費者の観念を覆すものだ」と歓迎。「Taxy Go」は、無料通話・メールアプリのLINEかSNSのフェイスブックを使えばタクシーが呼べるようになっており、便利であるばかりでなく、いっそう迅速なサービスが受けられるという。また、走行コースもシェアできるので、利用の安全性がより高まる他、運転手の「遠回り」を防ぐことも可能だという。
 
「Taxy Go」にはタクシー会社18社が加盟。現在利用可能なタクシーは2,500台超で、車両は使用年数が約4年から5年のもの。タクシーの運転手は「Taxy Go」に加わっても車内に専用のハード設備を取り付ける必要が無く、スマートフォンさえあれば要求に応じて利用者を乗せることができる。また、毎月の登録料や保証金も不要で、組合側は当然歓迎している。
 
ウーバーの配車サービスは台湾で一時大きな話題を呼んだが、経営が違法と判断されたことでレンタカー業者との業務提携に方針を転換。その勢いはかつてと比べて大きく劣る。その一方で、ITに通じた一部の人は台湾における合法的な配車サービスのビジネスに秘められた大きな潜在力に目をつけ、今年年初に会社を設立すると共に、人工知能を活用した先進的な自動会話プログラム、「Chatbot」を利用して配車サービスのプラットフォーム「Taxi Go」を開発、今年第2四半期から大台北地区(台北市・新北市・基隆市)のタクシー会社18社による新たなサービスを開始した。現在では1日の配車件数は1,000件を超えている。
 
「Taxy Go」が他のプラットフォームと大きく異なる点は、操作画面が簡単であること。そして、最も消費者を引き付けるのはアプリのダウンロードが必要ないことである。個人データを入力する必要がないため、データ流出の懸念がない。消費者は携帯電話での認証作業のみでタクシーを呼ぶことが可能で、待ち時間や目的地までの予想料金、車種、運転手の名前まで即座に知ることができる。さらに操作画面は中国語の他、英語、日本語にも対応しており、外国からの旅行者にも便利なものとなっている。移動は全てGPSによって記録され、消費者は走行コースなどの情報を友人にシェアすることで安全を確保することができる。
 
タクシードライバーとしての就業登録証を受けている運転手で、審査にパスすれば「Taxy Go」の運転手になれる。「Taxy Go」は、ウーバーがしたくてもできなかったことを実現した。数多くのタクシー運転手を引きつけ、タクシー運転手の50%近くがインターネットを通じたサービスを提供していなかった問題の解決に協力。また、運転手から「仲介料(手数料)」をとらないことで、タクシー代のネットを通じた支払いがまだ完全には普及していない問題を改善、さらには従来のタクシー会社が、配車用装置を車両に取り付けるコストを運転手に転嫁していた問題も取り除いた。なお、「Taxi Go」を利用した場合の支払いは、現金のほか、予め登録済みのクレジットカードによる「Taxi Go」のプラットフォームを通じた引き落としが可能になっている。
 
 

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