2024/05/05

Taiwan Today

政治

台湾で奉仕して58年、潘世光(Maurice Poinsot)神父に国民身分証

2017/09/11
台湾で58年間奉仕しているフランス人神父の潘世光さん(左)に国民身分証が贈られた。先住民族・アミ族の言葉を収集、整理して複数の辞書を出版するなど台湾に大きく貢献した。(中央社)
台湾東部・花蓮県民政処の蕭明甲処長は10日午前、同県玉里鎮にある東豊露徳聖母天主堂を訪れ、フランス人神父の潘世光(Maurice Poinsot)さんに国民身分証、「戸口名簿(住民票に類似したもの)、「定住証」を手渡すと共に、叙階60周年と、一足早い85歳の誕生日を祝った。潘世光神父は、「年をとって役に立たなくなった。みんな祝うことはない。誕生日も今日じゃないし」とユーモアを交えて語った。潘世光神父の誕生日は9月12日。
 
カトリックの潘世光神父は27歳の時に花蓮県玉里鎮などの先住民族・アミ族の集落で布教を始め、台湾で奉仕してすでに58年が経った。潘世光神父は、標準中国語、客家語(台湾で二番目に大きいエスニックグループ、客家人の言葉)、閩南語(台湾語)、アミ族語に精通しており、活発で明るい性格で完全に台湾に溶け込んでいる。
 
布教活動に役立てようと、潘世光神父は博利亜(Rev. Louis Pourrias)神父(故人)と協力してアミ族語の辞書を出版。40年にわたる収集と整理を経て、文字を持たないアミ族の言葉をまとめた「アミ族語-フランス語字典」は、アミ族語を記録するための重要なツールとなり、アミ族語の保存に大きく貢献した。また、アミ族の人々のために「アミ族語版聖書」、「アミ族語辞典」も編纂。潘世光神父はこれまでに、財団法人中法文化基金会(Fondation Sino-Française pour l'Education et la Culture)による文化賞、内政部(日本の省レベル)による「優れた外国籍宗教関係者賞」、「本土言語傑出貢献賞」などを受けている。先住民族たちは潘世光神父について、早くから地元に溶け込んでおり、潘世光神父の国民身分証には「先住民族」と加えるべきだとしている。
 
潘世光神父は、地元の集落に「潘」を姓とする家庭が多かったことから「潘」を名乗り、名前は「世光」とした。熱意にあふれていることから集落の人たちは、「MAMET」と名付けた。アミ族の言葉で、「力強い握手」の意味だという。
 
 

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