2024/05/05

Taiwan Today

政治

中華民国政府、国連と国際社会に台湾住民の声を発信

2017/09/12
第72回国連総会が12日(現地時間)、米ニューヨークの国連本部で開催される。中華民国政府は今年、多元的なパイプを駆使し、訴求のボリュームを拡大するという方法で、台湾住民2,300万人の心の声を国際社会に伝える。写真は外交部が制作した動画「最棒的地球公民(Taiwan: A Partner for a Better World)」の一幕。国連の「持続可能な開発目標」実現協力に意欲を示す台湾のメッセージが盛り込まれている。(外交部サイトより)
第72回国連総会が12日(現地時間)、米ニューヨークの国連本部で開催される。そのうち、各国が自由にテーマを設けて発言する一般討論演説は、19日から25日まで開催されることになっている。中華民国政府は、政府が掲げる「堅実外交」という方針と国民の期待に基づき、各方面の要素を慎重に考慮した上で、今年は多元的なパイプを駆使することと、訴求のボリュームを大きくするという方法で、台湾住民2,300万人の心の声を国際社会に伝えることを決めている。
 
具体的には、中華民国(台湾)と正式な外交関係を結ぶ国々が、一般討論演説において台湾のために発言するほか、これらの国々の国連常駐代表が国連のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長宛てに合同書簡を出すよう働きかける。書簡は、今年1月に就任したグテレス事務総長が台湾の訴求を十分に理解し、国連憲章の趣旨に基づき、台湾の国連システム参与を公平かつ妥当な態度で解決するよう期待すると訴えるもの。中華民国政府が今年提示する3つの訴求は以下のとおり。
 
(一)国連は、台湾住民2,300万人が国連システムから排除されているという状況を、実際の行動をもって改善すべきである。
各国は、国連がその憲章で掲げる「普遍性(Universality)」の精神を遵守するよう働きかけるべきである。特に、各国が参加し、国を超えた議題に共同で取り組む必要がある国連の専門機関は、台湾の参加を適切な方法で受け入れるよう努力し、全世界が直面する課題に効果的に対応すべきである。
 
(二)国連は、国連本部の敷地を訪れたり、会議に出席したりする台湾住民への差別的対応を即刻停止すべきである。
各国は、国連事務局が中立の立場を保ち、特定の加盟国の政治目的のために便宜を図ることがないよう求めるべきである。具体的には、中華民国政府が発行した証明書(パスポート)を所持した台湾住民が、国連本部の敷地内に入ることを受け入れること、そして国連本部の敷地内へ入ろうとする台湾住民に対して「台胞証(台湾住民が観光、商用、親族訪問などで中国大陸を訪問する際に必要となる証明書)」の提示を求めるという道理のない対応を即刻廃止することである。
 
(三)国連は、「持続可能な開発目標(SDGs)」を実現するための関連の会議、枠組み、活動への台湾の参加を認めるべきである。
台湾は長い間、各国との協力や開発計画を通して、国連の「ミレニアム開発目標(MDGs)」と「持続可能な開発目標」の実現に積極的に取り組んできた。国連は、台湾が「持続可能な開発目標」の関連会議、枠組み、活動に参加できるよう努力し、「誰一人取り残さない(Leave no one behind)」ことを目指すべきである。
 
外交部(日本の外務省に相当)の李大維部長(大臣)は台湾の訴求を国際社会に明確に伝えるため、「国連は2,300万人を忘れていませんか?」と題する文章を各国メディアに寄稿している。外交部はこのほか、国連の「持続可能な開発目標」実現へ向けた台湾の取り組みを紹介する動画「最棒的地球公民(Taiwan: A Partner for a Better World)」を制作している。この動画は、国連が台湾を含めた各方面と全面的なパートナー関係を確立してこそ、2030年以前に「持続可能な開発目標」を達成できるというメッセージを伝えるものとなっている。
 
このほか、国連の「持続可能な開発目標」実現に協力するため、行政院環境保護署(日本の環境省に相当)の李応元署長(大臣)は近く米ニューヨークを訪れ、台北駐ニューヨーク経済文化弁事処(米国における中華民国の在外公館の一つ)が開催する国際シンポジウムや華僑青年による座談会に出席し、台湾にとって初となる「自発的国別レビュー(Voluntary National Review)」を発表する。レビューには、持続可能な開発に対する台湾の取り組みの成果や、国際社会に対して行ってきた貢献などが盛り込まれる。
 
中華民国政府は国連に対し、(1)台湾住民2,300万人が国連に参加するという基本的権利を有するという事実を直視すること、(2)台湾が国連システムから排除されているという状況を実際の行動をもって改善すること、(3)国連本部の敷地内に入ろうとする台湾住民に対する差別的措置を即刻停止すること、(4)台湾が「持続可能な開発目標」の関連会議、枠組み、活動に参加できるよう努力すること、の4つの呼びかけを行っている。
 

ランキング

新着