行政院環境保護署(日本の省レベルに相当)と国立中央大学(台湾北部・桃園市)が協力して推進する「太平洋温室効果ガス観測」プロジェクトに協力するため、チャイナエアライン(中華航空)は2012年に太平洋を跨ぐエアバスA340-300気象観測機を導入、アジアで初めて温室効果ガスの観測に加わる航空会社となった。また、太平洋を跨いで高高度の大気データを収集する航空機は世界で初めてだった。
この気象観測機はエアバスA340の退役に伴い、昨年6月以降任務を終えた。チャイナエアラインでは昨年と今年、2機のエアバスA330-300にそれぞれ観測機器を取り付け、観測範囲を拡大することにより、より多くのデータを収集して研究に役立てることにした。退役したA340-300から3機目となる、2機目のA330-300気象観測機も今年7月に観測に加わっている。
気象観測器ではコックピットの下に観測のための計器が取り付けられており、集められたデータは着陸後、衛星を通じて自動的に欧州の研究センターに送られる。そして全世界の科学研究機関による地球温暖化と気候変動に関する研究に提供される。
2012年7月から2017年7月までの間に3機の気象観測機は延べ4,682回の観測飛行を行っており、そこには台北とカナダのバンクーバー、ハワイのホノルル、アラスカのフェアバンクスを結ぶ延べ400回の往復飛行も含まれるという。