2024/05/02

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政治

双十国慶節のデザイン、台湾の編みバッグから着想

2017/09/15
今年の双十国慶節(10月10日、中華民国の建国記念日、辛亥革命記念日でもある)の視覚芸術(ビジュアル・アート)総監を担当するデザイナーの鄭司維さん(写真)は14日、メインビジュアルのデザイン(写真右のノートブックPCの画面上にある画像)を発表した。台湾でよく使われる、ナイロン素材を編み込んだバッグ「茄芷袋」(鄭さんが手に持っているバッグ)からインスピレーションを得た。「明日のために共に努力し、より良い未来を創ろう」というメッセージを込めた。(中央社)
今年の双十国慶節(10月10日、中華民国の建国記念日、辛亥革命記念日でもある)の視覚芸術(ビジュアル・アート)総監を担当するデザイナーの鄭司維さんは14日、メインビジュアルのデザインを発表した。鄭司維さんによると、メインビジュアルは台湾でよく使われる、ナイロン素材を編み込んだバッグ「茄芷袋」からインスピレーションを得て、その「交わる、織りなす」といったコンセプトを取り入れた。「明日のために共に努力し、より良い未来を創ろう」というメッセージを込めたという。
 
鄭司維さんは、2010年にグラミー賞アルバムベストデザイン賞にノミネートされた経験を持つ。これまでは商業デザインを請け負うことが多かった。今回、政府から依頼を受けたのは、夏季ユニバーシアード台北大会の開催前で、台湾社会には対立の雰囲気が漂っていた。鄭司維さんはそのとき、台湾に最も必要なのは「共通認識」を持つことと、「手を取り合って、より良くしていく」という雰囲気であると考えた。
 
当初、今年の双十国慶節のテーマは「堅持 更好(こだわり続け、より良くする)」であった。しかし、内部で話し合った結果、「こだわることは孤独なことだ。『一起(一緒に、共に、の意味)』としたほうが、より良くならないだろうか」と考えた。そこで「一起更好(共に手を取り、より良くしよう)」というスローガンを提案した。双十国慶節準備委員会の主任委員を兼務する立法院(国会)の蘇嘉全院長(議長)もこれに賛成。今年のスローガンは、「2017 一起更好」、「BETTER TAIWAN(より良い台湾を)」と決まった。
 
このスローガンに基づき、鄭司維さんはメインビジュアル案として14作品を提示した。ふるいにかけられて残った4作品が蘇嘉全院長に提出された。そして最終的に選ばれたのが、ナイロン素材の編みバッグ「茄芷袋」からインスピレーションを得たデザインだった。
 
鄭司維さんは、「茄芷袋」は非常に台湾らしいもので、庶民の色彩を持ったものであり、こうした色彩が中華民国(台湾)の祝賀式典に使われたことはないと指摘。台湾でこれまで行われてきた国家レベルの式典では、中華民国の国旗を構成する青や赤、それにめでたさの象徴である金などの色彩がメインに使われてきた。鄭司維さんは、台湾の庶民の色彩を国家の式典に持ち込みたいと考えたという。
 
このメインビジュアルは、街路灯バナー、政府機関の正面玄関や歩道橋に掲げられる横断幕、式典のメインステージの背景、式典に参加する貴賓のバッジ、招待状、帽子、タオル、識別カードなどに広く応用される。
 
なお、英語のスローガン「BETTER TAIWAN」にある「TT」の文字は、双十国慶節を意味する十字型のデザインになっている。このため、一見すると「TT」の文字に気が付かず、「BEER TAIWAN」と書いてあるようにも見える。ここからデザインチームは、台湾ビールとコラボするという着想を得た。今後、台湾ビールを製造販売する台湾菸酒公司(TTL)に依頼して、双十国慶節をテーマにした特別デザインのビールを数量限定で発売する予定。
 

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