2024/04/29

Taiwan Today

政治

陳副総統、オセアニア諸国との共同体意識強化に期待

2017/10/19
陳建仁副総統(前列右から5人目)は18日、総統府にて「第5回太平洋島国青年リーダー育成計画」訪問団による表敬訪問を受けた。同計画は、外交部(日本の外務省に相当)と米シンクタンクのイーストウエスト・センター(本部、ハワイ州)が実施する共同事業。(総統府サイトより)
陳建仁副総統は18日午前、総統府にて「第5回太平洋島国青年リーダー育成計画(2017 Pacific Islands Leadership Program with Taiwan,PILP G5)」訪問団による表敬訪問を受けた。同計画は、外交部(日本の外務省に相当)と米シンクタンクのイーストウエスト・センター(本部、ハワイ州)が実施する共同事業。今年はパラオ、ソロモン諸島、ナウル、キリバス、フィジー、クック諸島、フランス領ポリネシア、パプアニューギニア、サモア、バヌアツなど、太平洋(オセアニア)にある島国10カ国から青年リーダー27名が台湾を訪れ、研修を受けている。
 
陳副総統はまず、中華民国(台湾)とオセアニアの島国は共通の経験、課題、価値観を有していると指摘。台湾は同じ島国として、気候変動、持続可能な開発、環境保護、地域の安全保障などに関心を寄せていると伝えた。また、台湾とオセアニア諸国は同じように太平洋に囲まれており、豊富な海洋資源が各国の歴史、文化、経済に影響を与えてきたが、一方で広大な太平洋の存在が、こうした国々の往来や通信を困難にし、ときには隣国や国際社会と隔絶した関係を形成してきたと指摘。言い換えれば、海洋はその国の経済発展や、その国の存在そのものを脅かすことがある。そして「これこそが、オセアニア諸国がナショナル・アイデンティティや民族自決などの議題に関心を寄せる原因となっている」と説明した。
 
その上で陳副総統は、「ナショナル・アイデンティティと民族自決はいずれも団結によってもたらされるものであり、国民の団結を得るためには英知と先見の明を持ったリーダーが障害を排除し、国民を一つにまとめ上げる必要がある」と述べた。
 
陳副総統は続けて、リーダーは政治だけでなく、社会分野、オピニオンリーダー、思想的リーダーなどがあり、いずれも重要な役割を果たしていると説明。台湾の外交部と米イースタンウエスト・センターは「太平洋島国青年リーダー育成計画」を通して、青年リーダーを育成して未来に投資したいと考えていると述べた。同時に、この計画を通してオセアニア諸国を支援し、この地域における共同体意識の形成に役立てたいと伝えた。
 
オセアニアにある国交樹立国は長年、世界保健機関(WHO)の年次総会(WHA)や国際民間航空機関(ICAO)、「気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)」などの国際的枠組みへの台湾の参与を支持してきた。また、国連総会の一般討論演説で台湾を支持する発言を行っている。
 
蔡英文総統は10月28日から11月4日まで、オセアニアの国交樹立国であるマーシャル諸島、ツバル、ソロモン諸島の3カ国を訪問することになっている。台湾にとってこれは、オセアニアの国交樹立国との関係を強化するためのもう一つの手段となる。陳副総統はこれについて「蔡総統の行動は、有益なリーダー学を証明するものだ。それは、考えることと言うことが重要なのは言うまでもないが、本物のリーダーとは行動によってそれを証明するということだ」と述べ、同計画に参加する青年リーダーたちがこの研修プログラムを通して学んだことを行動に移し、母国のために平和と繁栄の未来を作り上げて欲しいと期待を寄せた。
 

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