英BBCは毎年、世界に影響力を与え、人々の心を動かしている女性100人を選出する「100 Women」を発表している。今年9月にまず60名のリストを発表し、このほど新たに20名を追加した。新たに加えられた20名の一人に、台湾の林念慈さんが選ばれた。
BBCはこの80名を4つのグループに分類し、これらの女性が現代の女性が直面する問題を克服するのに協力してくれることを期待している。4つのグループとは、女性の昇進を阻む見えない壁「ガラスの天井(The glass ceiling)」、「女性の識字率(Female illiteracy)」、「路上での嫌がらせ（Street harassment）」、「スポーツにおける性差別主義（Sexism in sport）」で、林念慈さんは「女性の識字率」のグループに選ばれた。
林念慈さんは34歳。ネパールで布ナプキン工房「棉楽悦事工坊（Dharti Mata Sustainable Workshop）」を立ち上げた人物。「Dharti Mata」とはネパール語やサンスクリット語で「大地の母」という意味。
林念慈さんはネパールでボランティア活動を行っていた際、現地の女性の衛生観念が十分ではないことに気が付いた。そこで2013年、「棉楽悦事工坊」を立ち上げ、ネパールの各地を訪れて布ナプキンの使用方法を伝え、環境に優しいサニタリー習慣の普及に努めた。ネパールの農村の女性に布ナプキンの作り方を教えることで、女性のために雇用の機会を創出し、女性の起業を促したり、職能技術を高めたいと考えた。「棉楽悦事工坊」ではほかに、環境、女性、家庭に優しい生活用品の開発を進め、持続可能なライフスタイルを実践している。また、有機農産品を販売する店舗や、女性のための手作り工房を設立。公平な貿易と社会的企業を目指し、ネパールにおける持続可能な地域社会づくりの一翼を担っている。
林念慈さんは18日、自身がBBCに寄せたという文章をフェイスブックに掲載し、人々からの祝福に感謝の意を表した。そこにはこう書かれている。
Connect the inner and the outer world as oneness,
follow the natural flow of divine heart,
embrace the beauty of feminine cycle,
stay grounded with Mother Earth,
then you can transform impossible into possible.
内側と外側の世界を一つにつなぎ
心の自然な流れに従い
女性の美しいサイクルを受け入れ
母なる大地に根を下ろす
あなたは不可能を可能に変えることができるでしょう
なお、今年の「100 Women」には、東アジアから林念慈さんのほか、中国大陸のダンサーで番組司会者の金星さんが選ばれている。金星さんは、中国大陸版オプラ・ウィンフリーと呼ばれるほどの名司会者で、中国大陸で初めて合法的に性転換手術を受けた人物として知られている。