2024/05/05

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「宝くじに当たったよう」、キリバスの口蓋裂児童が台湾で手術

2017/10/20
友好国・キリバスの口唇口蓋裂の幼児2人が台湾各界の協力の下、台湾で手術を受けた。キリバスの人がこうした手術を受けられるのはまれで、「宝くじに当たったよう」だという。写真は治療後の記者会見の様子。母親が抱く幼児の右側がLangley Beniataちゃん、左側がLotebwa Kantaroちゃん。(中央社)
中華民国(台湾)から9,000km離れた友好国、キリバスは医療分野の人的資源が足らない他、医薬品にも限りがあり、国際的な医療支援にずっと頼っている。馬偕記念病院(台湾北部・台北市など)では2006年よりキリバスに医師を駐在させて支援を続けている。キリバス駐在医療団の医師、王詩欣さんは今年1月、深刻な口唇口蓋裂の新生児2人を見つけるとただちに、台湾で口唇口蓋裂の子どもたちの治療に取り組んでいる財団法人・羅慧夫顱顔基金会(Noordhoff Craniofacial Foundation)と連絡を取り、子どもたちの運命を変える「赤い糸」をつなげた。
 
1歳にも満たないLangley Beniataちゃんは両側性唇顎口蓋裂、Lotebwa Kantaroちゃんは片側性唇顎裂。キリバスの口唇口蓋裂の子どもが手術を受けるには通常何年も待たねばならず、ニュージーランドかオーストラリアの医師が無償の医療活動にやって来なければ手術が受けられるチャンスはない。
 
王詩欣医師は19日、メディアの取材に対し、キリバスの新生児では毎年大体2人から3人が口唇口蓋裂の患者だが、現地には診療できる専門の医師がいないと説明。長期にわたる口唇口蓋裂の症状は子どもたちの食事を困難にし、会話能力にも影響することから、生活面と人間関係の発展に大きな障害をもたらす。このため台湾で手術を受けられることは、現地の人たちにとっては「宝くじに当たったよう」だという。
 
今回は外交部(日本の外務省に相当)が航空チケットを提供、長庚記念病院(台湾北部・台北市など)が手術費用を支援した。さらに「麥當勞叔叔之家慈善基金会(ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・タイワン)」が宿泊と生活面をサポートする中、Langley BeniataちゃんとLotebwa Kantaroちゃんはそれぞれ母親と共に9月に台湾を訪れて手術を受けた。
 
Langley Beniataちゃんは手術後、キリバスにいる家族とテレビ会議方式で対面。父親は子どもが正常な姿になったと大変喜んだが、3歳の兄が、「弟じゃない。弟はこんな顔じゃない。弟はどこへ行ったの?」とたずねるばかりなのに母親は大笑いし、「それほど手術が成功したということだ」と喜んだ。
 
Lotebwa Kantaroちゃんは家で3人目として生まれたが、1人目と2人目は原因不明で亡くなっており、今では家でただ1人の子どもになっているという。
 

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