2024/04/29

Taiwan Today

政治

「中共は新たな考えで共に交流の新モデルを」、政府が呼びかけ

2017/10/20
蔡英文総統(中央)は10月10日の双十国慶節祝賀大会で談話を発表、「我々の善意は不変。約束も不変。かつてのような対抗路線には戻らないが、圧力に屈することもない。これが台湾海峡両岸関係に取り組むに当たっての一貫した原則だ」と強調した。(中央社)
行政院(内閣)大陸委員会は18日、中華民国は主権国家で、台湾の2,300万人は台湾の未来と台湾海峡両岸関係の発展に対する共同の選択権を持つということは、政府と民間を問わず台湾社会が堅持するところだとするプレスリリースを発表した。
 
この中で大陸委員会は、中国大陸は総合的な実力の向上と制度改革という重要な新局面を追求していく中で、「民主と平和、公平さと正義」の政策推進に力を尽くし、さらには新しく健全な考え方を以って両岸関係に向き合うべきだと主張。そうしてこそ、中国大陸は「勇気を持ってイノベーションを進め、永遠に硬直化しない」という、自らへの願いを実現し、台湾海峡と地域の平和を守る者になれると訴えた。
 
大陸委員会は、第19回中国共産党大会の政治報告における対台湾政策はその一貫した政策方針を延長するものだった他、今後台湾を包囲して対抗しようという基本的な態度を特に明確に示したとして遺憾を表明。そして、台湾の民主制度と対外的な発展を永遠に持続することは台湾が堅持する核心的価値だと強調した。大陸委員会は、両岸の長期にわたる政治的な立場の違いは解決不可能なものではなく、双方の制度と政治理念の違いも過去30年の両岸交流に隔たりをもたらすことはなかったとした上で、人為的な阻止と抑制及び分裂と対立こそが両岸間の難題のもつれを生み、膠着した局面と混乱を拡大している主因だと指摘した。
 
そして大陸委員会は中国大陸側に対し、一方的かつ強硬に作り上げた「一つの中国原則」と「一国二制度」の方針が台湾の人々に受け入れられるための溝を越えることは難しく、みながそれを敬い、心から承服することはなく、両岸の人々の心と心を結び付けることもできないという事実に目を向けるよう強く呼びかけた。大陸委員会は、台湾を尊重し、理解してはじめて違いの中に接点を見つけ、和解と協力を追求できるのであり、「尊重と意思疎通」こそが双方の異なる立場を近づける唯一の法則なのだと強調した。
 
今回の中国共産党大会は中共指導者層の権力構造の変化、並びに向こう5年間の内外における政治及び展開にかかわるもので、地域の政治経済情勢と両岸関係の発展に影響する。大陸委員会は、中国大陸側が各種の改革を引き続き安定して推進していくかどうかを注視していく姿勢を示す一方、蔡英文総統と政府は過去1年あまり、両岸関係の上で理性的かつ実務的な態度を保ち、挑発行為は自制してきたと強調した。
 
大陸委員会は、「我々は国家の安全と尊厳、及び人々の福祉と利益を断固守っていく」とした上で、「平和で安定した台湾海峡の現状維持」、「1992年に両岸双方の交渉窓口機関(台湾が海峡交流基金会、中国大陸側は海峡両岸関係協会)が行った会談の歴史的事実に対する尊重」、「両岸の秩序ある交流強化」という政策上の立場は変わっておらず、これが台湾の善意と辛抱強さであり、地域の平和を維持するための最大の保証だと説明した。
 
そして大陸委員会は、両岸の前向きな交流維持と人々の幸せな生活に対する願いの実現は双方が共同で担っていくべき責任であり目標だとして、「実務的な意思疎通を通じ、両岸交流の新たなモデルを共同で追求してこそ、両岸関係を安定して前進させる道の上で双方は向き合い、近づいていくことが出来る」と訴えた。
 

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