2024/04/30

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ロシア工学アカデミーの会長、「唐奨」を高く評価

2017/11/23
台湾の大手コングロマリット(複合企業)である潤泰グループ(Ruentex Group)は22日、台湾北部・台北市でロシアの国際工学アカデミー(International Academy of Engineering:IAE)、ロシア工学アカデミー(Russian Academy of Engineering:RAE)、ロシア科学アカデミー(Russian Academy of Sciences:RAS)の技術移転に関する説明会を開催した。写真左は国際工学アカデミー台湾支部の陳振川理事長、右はロシア工学アカデミーのB. V. Gusev会長。(中央社)
台湾の大手コングロマリット(複合企業)である潤泰グループ(Ruentex Group)の尹衍樑総裁は2007年より、国際工学アカデミー(International Academy of Engineering:IAE)、ロシア工学アカデミー(Russian Academy of Engineering:RAE)、ロシア科学アカデミー(Russian Academy of Sciences:RAS)と民間レベルの技術交流を行っている。台湾とロシアのこれらの組織は22日、台湾北部・台北市で技術移転に関する説明会を開催した。技術項目は最先端のオプトエレクトロニクス、風力発電、ナノテクノロジー、飼育効率の高い動物用飼料など。
 
潤泰グループの尹衍樑総裁が「東洋のノーベル賞」を目指して立ち上げた、唐奨(タン・プライズ、Tang Prize)の主催機関、唐奨教育基金会執行長であり国際工学アカデミー台湾支部理事長を兼務する陳振川氏は説明会のあいさつで、「ロシアは基礎研究(Basic research)で非常に強みがあり、台湾はシステムインテグレーション、製造、マーケティングが得意だ。双方が協力すれば、相互補完によって能力を発揮することができるだろう」と述べた。
 
また、ロシア科学アカデミーのB. V. Gusev会長は、「台湾とロシアはエネルギー、持続可能な開発、物質科学、環境保護などの方面で、すでに10項目の重要な合同プロジェクトが進行中だ。今回は、台湾側とコミュニケーションを図るためにやってきた。すでに多くの進展が見られるものの、まだ課題は多い。今後の発展のために良好な基礎を築きあげられることを期待している」と述べた。
 
Gusev会長が台湾に初めてやってきたのは10年前のこと。台湾の人々の情熱に触れ、その後、台湾に国際工学アカデミーの台湾支部を設置することを決めた。当初の会員は土木工学に関連するエンジニアが中心だったが、その後、徐々にほかの分野にもすそ野を広げていった。
 
Gusev会長によると、台湾とロシアは現在、例えば有機廃棄物を可燃ガスに変える設備を開発している。実証実験の結果、この方法は、従来のバイオ発酵に比べて効率が1,000倍になることが判明している。風力発電の分野でも、国際工学アカデミーは発電設備の体積を縮小し、効率を高めることに努めている。現在開発している風力発電ステーションはプロペラ型ではなく密閉式のもの。密閉空間を利用して風力をさらに集中させ、発電効率を30~40%引き上げることができるという。
 
なお、Gusev会長は、「唐奨」の海外諮問委員の一人でもある。Gusev会長は、「世界にある多くの賞が公開性の高い、分野を問わないものだが、『唐奨』は科学技術や工学分野における実際の貢献を重視している。まだ過去に2回しか実施していないものの、その知名度は特にサステイナブル工学(sustainable engineering)の方面で徐々に高まっており、非常に今後が期待できる賞だ」と語った。
 
Gusev会長はまた、「唐奨」の立ち上げは非常に「タイムリー」であり、ノーベル賞が基礎研究を重視しているのに対し、「唐奨」は科学技術や工学、それに実際の貢献を重視したものであり、これは高く評価したいと述べた。
 
尹衍樑総裁は2012年12月に「唐奨」を立ち上げた。「持続可能な開発」、「バイオ医薬」、「漢学」、「法治」の4部門で、世界に対して実際に貢献している、あるいは影響力を持った受賞者を選出している。
 

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