2024/05/06

Taiwan Today

政治

改正「公民投票法」可決、成立要件などを緩和

2017/12/13
立法院院会(=国会本会議)は12日、改正「公民投票法」を可決した。公民投票(=国民投票、住民投票)の発議、実施、成立要件などが大幅に緩和された。写真右は立法院の蘇嘉全院長(=国会議長)。(中央社)
立法院院会(=国会本会議)は12日、改正「公民投票法」を可決した。公民投票(=国民投票、住民投票)の発議、実施、成立要件などが大幅に緩和され、有効投票数の4分の1の「賛成」で成立することになった。また、行政院公民投票審議委員会の廃止、満18歳以上の中華民国国民への投票権付与、それに全国レベルで実施する国民投票の場合は不在者投票を実施できることなどが盛り込まれた。
 
台湾の「公民投票法」は1993年、当時野党だった民進党の蔡同栄立法委員(=国会議員)が草案を提出。2003年になって国会で可決された。現行法では、直近の正副総統選挙の有権者の1,000分の1が発議に賛成し、同有権者の5%の署名により国民投票が実施される。また、有権者の2分の1以上が投票し、且つ有効投票数の過半数が賛成することが成立要件となっている。こうした要件の厳しさから、過去6年間に実施された全国レベルの国民投票はいずれも不成立となっている。
 
今般可決された改正「公民投票法」では、全国レベルの国民投票について、直近の正副総統選挙の有権者の1万分の1が発議に賛成し、同有権者の1.5%の署名により実施すると改められた。2016年の正副総統選挙の有権者数から推算すると、約1,879名の賛成で国民投票を発議することができる。また、有権者約28万人の署名により、国民投票を実施することができることになる。
 
改正「公民投票法」では成立要件も、「賛成が反対を上回り、且つ有効投票数の4分の1が賛成すること」に改められた。つまり、有権者約469万5,000人の賛成で国民投票が成立することになる。また、投票結果が出てから2年以内は、同じ議題について再び国民投票を実施することはできない。
 
全国レベルの国民投票で問うことのできる議題は、憲法改正や領土変更などを含まない。これらについては、これまでと同じく中華民国憲法増修条文の規定に基づき処理される。憲法の規定外のこと、例えば成立した法律の可否、立法原則に関する提言、重大な政策などを国民投票の議題とすることができる。
 
また、「公民投票」の主務官庁が行政院(内閣)から中央選挙委員会に改められると共に、行政院公民投票審議委員会の廃止が決まった。さらに、資源の浪費を防ぎ、発議者が署名を呼びかけやすくするため、主務官庁は今後、「公民投票」の発議者が議案を提示し、署名を呼び掛けるためのプラットフォームとなる電子システムを構築する。
 
現行法では、行政機関が「公民投票」を発議することはできないとされているが、改正法では行政院が「重大な政策」について国民の意見を問う必要があると判断した場合、立法院の同意を経て、主務官庁に「公民投票」の実施を求めることができるとされた。行政院の提案が、立法院によって拒否された場合、今後2年間、同じ議題について「公民投票」の実施を求めることはできない。
 
改正法では、中華民国(台湾)の国民であり、憲法に特別な定めがある場合を除き、満18歳で、被後見人でなければ、投票権が付与されるとされた。さらに、全国レベルの国民投票を実施する場合は、不在者投票を実施することができるとされた。但し、実施要項については別途法律を制定してこれを定めるとしている。
 

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