2024/04/29

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文化部、台北国際ブックフェア大賞受賞者を発表

2018/01/10
第11回2018年台北国際ブックフェア大賞の小説部門大賞を受賞した周芬伶さん(右から2人目)と黄崇凱さん(左)。(中央社)
文化部(日本の文科省に類似)は9日、「第11回2018年台北国際ブックフェア大賞」の受賞者を発表した。2月6日から11日にかけて開催される「2018台北国際ブックフェア(台北国際書展、Taipei International Book Exhibition:TiBE)」では、中国語による創作活動と出版業者を奨励するために設けられた重要な賞、「第11回2018年台北国際ブックフェア大賞(TIBE BOOK PRIZE)」の授賞式典が行われる。今年は、同賞を巡って、小説部門101点、非小説部門290点、編集部門の自作102点、非自作58点がしのぎを削る中、主催機関は例年の慣習を破り、2017年12月20日に小説部門・非小説部門各10点のノミネート作品および編集部門の自作・非自作の各5グループを発表した。
 
小説部門の大賞受賞者は、金宇澄さんの「金宇澄作品選輯:軽寒、方島、碗」、黄崇凱さんの「文芸春秋」、周芬伶さんの「花東婦好」。非小説部門の大賞受賞者は、林育立さんの「欧州的心臟:徳国如何改変自己」、李欣倫さんの「以我為器」、李玟萱さんの「無家者:従未想過我有這麼一天」。編集部門の大賞は、自作が王梵さんと莊瑞琳さんによる「億萬年尺度的臺灣:從地質公園追出島嶼身世」に、非自作が嘉世強さん、鄭雅菁さん、張瑋庭さんによる「我們一無所有」、「行過地獄之路」、「呼喚奇蹟的光」にそれぞれ贈られる。
 
2018年台北国際ブックフェア大賞の授賞式典は、ブックフェア開催初日2月6日の開幕式に行われる。また、今回の受賞作品は、同ブックフェアが行う「第14回金蝶賞」(優れた出版・編集デザインに贈られる)の受賞作品とともに、台湾の大手書店チェーン、誠品書店の協力を得て同書店の各店舗に設置した「ブックフェア大賞」専門コーナーに展示される。2月12日まで誠品書店敦南店(台湾北部・台北市)、15日から2月12日まで信義店(同)、誠品R79(同、MRT台北駅から雙連駅まで連なる地下街の中心地の中山地下街にある)、勤美緑園道(台湾中部・台中市)、高雄大遠百店(台湾南部・高雄市)など北部から南部まで、5つの大型店舗で同時に展示・販売され、市民の新年の読書熱を高めるのに一役買う。
 
小説部門大賞の受賞者で最も若かった黄崇凱さんの作品、「文芸春秋」は、かつての巨匠や広義的な文化や歴史への敬意を示したもの。分断されて発展した台湾の文芸に三つの巧妙な歴史的つながりをもたせた台湾の文芸の概念に関する長編小説だ。
 
エッセイで名を馳せる周芬伶さんが再び書いた小説「花東婦好」も小説部門大賞を受賞した。周さんは受賞を聞いて、初めてのブックフェア大賞受賞が小説だったことは、自分の夢が実現したとの喜びを語った。
 
非小説部門大賞を受賞した林育立さんの「欧州的心臟:徳国如何改変自己」は、台湾における国政の苦境と反省を出発点に、ドイツのモデルで、台湾のことを見つめる情熱あふれる作品だ。林育立さんは長年ベルリンで暮らすメディア関係者。
 
同じく李玟萱さんの「無家者:従未想過我有這麼一天」は、路上生活者および経験者への支援を行う社団法人台湾芒草心協會の協力を得て書かれた。10人の路上生活者が家をなくすまでの経緯や長年路上生活者を支援するソーシャルワーカー5人のストーリーが紹介されている。路上生活者に対するイメージを明瞭にし、自分たちとは無関係でも汚名を着せられた存在でもないことを呼びかける。
 
李欣倫さんの「以我為器」は、女性の各段階における体や心理の変化を正確で詳細な文章で記した。
 
編集部門自作の大賞を受賞した衛城出版編集長の莊瑞琳さんは、受賞について「自分で本を編集する中で、最も面白いのは人材の発掘と、これらの人材と一緒に仕事をすることだ」と述べた。2018年台北国際ブックフェア大賞において、莊さんが編集に関わった「億萬年尺度的臺灣:從地質公園追出島嶼身世」は大賞を受賞、「字母会」はノミネート作品となった。
 
蔡英文総統は自ら2月6日に開催される「2018年台北国際ブックフェア」の開幕式に臨み、受賞者らに賞を授与する。

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