2024/04/29

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マイクロソフトが三つの理由でAI研究開発センターを台湾に設置

2018/01/11
台湾マイクロソフトは10日、台北市の同社オフイスにマイクロソフトAI研究開発センターを設置すると発表。写真は10日の記者会見の様子。前列左から4人目は頼清徳行政院長。右から4人目はマイクロソフトの古卓倫(デビッド・クー)CVP(コーポレート・バイスプレジデント)。前列右から1人目が台湾マイクロソフトの孫基康総経理。前列右から2人目が陳良基科技部長、3人目が沈栄津経済部長。(中央社)
台湾マイクロソフトは10日、台湾北部・台北市の信義区に位置する同社のオフイスにマイクロソフトAI(人工知能)研究開発センターを設置すると発表した。向こう2年で10億台湾元(約37億3,500万日本円)を投じ、100人規模の研究開発チームを組織する。さらに向こう5年以内に200人を超えるAI研究開発スタッフを募集・育成し、文字入力システムのSwiftKey中国語版、「使用者意図認識(audience intent recognition)」、AIの産業垂直化アプリケーション(integration of AI vertical industrial applications)などの研究に注力していく。
 
台湾マイクロソフトの孫基康総経理(社長)は、同社のスタッフは非常に熱心で、台湾のデジタル社会に向けた変革に貢献できるよう希望しているとした上で、今回、AI研究開発センターを設置するに当たって行政院(内閣)と経済部(日本の経産省に相当)が全力でサポートしてくれたことに感謝すると述べた。そして、重要なのは投資の規模ではなく、「マイクロソフトの頭脳」を台湾に持ち込むことだと強調した。
 
台湾にAI研究開発センターを設置する理由について孫基康総経理は三項目を挙げた。まず、マイクロソフトが台湾の教育システムは数多くの優秀な人材を生み出すと強く信頼し、高く評価していること。特に基礎的な数学と理工系の教育において台湾には優れた基礎があり、これらの良好な基礎は企業と結びついてこそ、人材の力をさらに高められるとしている。
 
二つ目の理由は、台湾が世界の産業チェーンの重要な一部であること。将来、デバイスがますます増えていく中、マイクロソフトはいっそう市場に寄り添う必要があり、マイクロソフトの小さな貢献を通して、より多くの産業がソフトフェアとAIのための投資を重視するよう促していく考え。
 
三つ目の理由は、政府による明確な方向とリードを通じて、AIの発展方向に対する産官学の共通認識を築き、AIの産業化と産業のAI化を確実に実現したいと希望していること。
 
10日の記者会見に出席した頼清徳行政院長(首相)は、マイクロソフトが台湾にAI研究開発センターを設置することは、台湾でAIを推進する産業が同社のような国際的な企業の支持を得たことを示すと強調、さらにマイクロソフトの今回の投資は一般の投資ではなく、研究開発のためのもので、台湾の産業全体の発展に重要な意義があると歓迎した。
 
頼行政院長は、台湾における産業の垂直統合は世界有数のレベルにあり、マイクロソフト社の「頭脳」が加わることで産業の未来はいっそう明るくなると期待、同社の協力を通じて台湾におけるAI化関連産業が「石から黄金へと」大きく発展するよう願った。
 
 

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