2024/05/04

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起業する若者を育成、アマゾンウェブサービスの「創新」センターが新北市に

2018/01/12
台湾北部の新北市は11日、アマゾンウェブサービス(AWS)と協力し、「合同イノベーションセンター」を設立すると発表した。起業を目指す若者たちを共同で育成していくことに。写真は記者会見の様子。右から2人目は朱立倫新北市長、3人目はAWSの容永康副総裁。(中央社)
台湾北部の新北市は11日、アマゾンウェブサービス(AWS)と協力し、「聯合創新中心(合同イノベーションセンター)」を設立すると発表した。同市内に位置する「台北遠東通訊数位園区(台北ファーイースタン・テレコムパーク=T-park)」を運営拠点に、AWSが技術のプラットフォームと教材資源を導入し、起業を目指す若者たちを共同で育成する。
 
新北市の朱立倫市長は記者会見であいさつし、台湾におけるAWSのイノベーションセンター設立は新北市のみならず台湾全土を視野に入れたもので、政府、サービス業、コミュニティがクラウドサービスを通してレベルアップし、暮らしがさらにスマート化すると期待した。朱市長によれば、AWSのイノベーションセンターが今回台湾に持ち込むイノベーションモデルは、「アクセラレーター中のアクセラレーター」。「アクセラレーター」とはスタートアップ企業に投資し、経営を指導していく役割を担う会社のこと。AWSのイノベーションセンターは企業や大学のアクセラレーターと提携して台湾の若者を支援する。起業過程にある若者たちはこうした資源の統合を通じて世界に踏み出す機会が広がることになる。
 
AWSの副総裁(Global Vice President)で「大中華区(グレーターチャイナ)」の責任者(China Executive Director)を務める容永康氏は、AWSは技術のプラットフォームを提供するのみならず、その他のサポートも行っていくと説明した。その他のサポートではまず、異なるアクセラレーターと協力し、台湾のスタートアップ企業がパブリッククラウドに加わるのを加速する。スタートアップ企業は世界190の国々をカバーするAWSのネットワークを通じて、自分たちのサービスのスピーディな普及を図ることが出来る。
 
また、AWSは中小企業、並びに新北市の産業界とより緊密に協力し、これらの企業がパブリッククラウドを通じて生産効率を高められるよう促す。企業はパブリッククラウドが全世界をカバーしているアドバンテージを利用して、自社のサービスを全世界に広めることが可能となる。
 
容永康氏は、パブリッククラウドは技術のプラットフォームに過ぎず、より重要なのは優れた人材だと強調。このためAWSは合同イノベーションセンターに大量の人材育成と教材に関する資源を投入する。教材の面では地元の教育機関と緊密に協力し、AWSが米国や欧州の大学と共同開発した、クラウドコンピューティング、人工知能、ビッグデータなどの教材コンテンツを導入する。そうすることでより多くの人材を育成し、スタートアップ企業をサポートすると共に企業の変革も加速する。
 
台湾の著名な企業であるHTC(宏達国際電子)、トレンドマイクロ(趨勢科技)、ウィストロンコーポレーション(緯創資通)、メディアテック(聯発科技)などはいずれもAWSと提携し、すでに多くの資源を投じているという。AWSでは、新北市での合同イノベーションセンター設立後、こうした投資がさらに広がるよう期待している。
 
 

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