2024/05/03

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台湾漫画のIPに夜明けの輝き①-漫画の実写化拡大の兆し

2018/02/12
台湾で生まれた漫画作品の実写化はこれまで大変少なかったが、今年2月には2作品のドラマ化が相次いで発表された。台湾漫画のIP(知的財産権)が輝きを放ちつつある。写真左はこのほど開催された台北国際書展(ブックフェア)で台湾の漫画について説明をする中央研究院「CCC創作集」責任者、黄冠華さん(右から2人目)。(中央社)
今年、台湾で生まれた漫画作品の実写化が相次いで発表されている。阮光民の『用九柑仔店』は今年下半期にテレビドラマがクランクインする予定。また、台湾の最高学術研究機関、中央研究院CCC(Creative Comic Collection)の「創作集(オリジナル作品集)」に収録された『北城百画帖(カフェー ヒャッガドウ)』のトレーラーはすでに撮影が完了するなど、台湾漫画のIP(知的財産権)が輝きを放ちつつある。
 
漫画のIPを使用して実写版テレビドラマにした代表的なケースには、日本の少女漫画、『花より男子』を台湾でドラマ化した『流星花園』がある。アジア全域でブームを巻き起こした他、「元祖アイドルドラマ」と称えられた。
 
日本や韓国と比べ、台湾で生まれたオリジナル漫画をテレビドラマ化したケースは、2002年の『渋女郎』(朱徳庸の『渋女郎』が原作)や2012年の『東華春理髪庁』(阮光民の『東華春理髪庁』が原作)などと多くなかったが、今年2月には2作品のドラマ化が相次いで発表され、ファンたちの期待を集めている。
 
アニメーション及び漫画社会学の研究者、王佩迪さんによると、これまで台湾がドラマ化する漫画作品の多くは日本のものだった。これは主に、台湾の読者のうち日本の漫画ファンの方が台湾の漫画ファンより多く、ドラマ化した場合に比較的受け入れられやすかったから。王さんはしかし、中央研究院の台湾デジタルアーカイブス・プロジェクト、「CCC創作集」がスタートして以降、台湾の文化、歴史、知識など、社会性や文化性のある内容を結び付けることで、多くの漫画家と特別なストーリーのテーマが累積されたと指摘する。そしてこれらの漫画家が台湾に対する感情豊かな物語を描き、既存の漫画ファンに執着しないことで、一般大衆に広がりやすくなっているのだという。
 
台湾漫画の優れたIPはボリュームに乏しく、連続ドラマ化するにはシナリオが足らない。10回前後のテレビドラマにするには、漫画家が数話多く描くことでストーリーに規模を持たせる必要がある。またそうしてこそ、台湾の漫画作品がより大量に映像化される可能性が生まれる。
 
台湾の漫画作品の映像化には期待と不安があるとする王さんはしかし、「境界を越えていくことは必要不可欠だ」と話し、その方向を歓迎する。そして、様々な困難を乗り越え、持続可能なモデルを生み出すにはより多くの人々、投資者のサポートと信頼が必要だと強調している。
 
 

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