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台湾漫画のIPに夜明けの輝き③-『北城百画帖』の実写化、1930年代の台北を再現

2018/02/14
「CCC創作集」で発表された台湾のオリジナル漫画、『北城百画帖(カフェー ヒャッガドウ)』が実写化される。1930年代の台北の喫茶店を舞台とし、SF要素も加えた作品。デジタル技術で当時を再現する。写真はドラマ版の『北城百画帖』。(『北城百画帖』フェイスブックより、中央社)
台湾の最高学術研究機関、中央研究院のプロジェクトである漫画誌、「CCC創作集(Creative Comic Collectionオリジナル作品集)」で発表された、『北城百画帖(カフェー ヒャッガドウ)』が実写化される。このほど台湾北部・台北市内で開かれた台北国際ブックフェアで正式に発表された。演出は3Dアニメや映画の視覚効果を主に手掛けてきた張永昌(Kent Chang)さんが担当する。
 
『北城百画帖』は台湾の著名な漫画家、AKRUさんの作品。物語は日本占領時代の1935年、台湾博覧会が開催されていた時期の台北の喫茶店が背景。AKRUさんのきめ細やかな画風と詳細な歴史考証により、歴史上の事件にSF要素が加えられている。同時に日本占領時代における台北市の建物、服装、人々の生活ぶりが完ぺきに再現される。
 
張永昌さんによれば、当時の建築物で現存するものは少なく、台北市内で物語に適した撮影場所を見つけるのは難しいため、デジタル技術で再現する方法を採用した。張さんは、「実写映像とどのように結び付け、しかもデジタル技術によるものと気付かれないようにするか。それが今回、努力している点であり、表現したいことだ」と話す。
 
『北城百画帖』では詳細な歴史考証がなされている他、そのスタイルは文化とSFを兼ねたもので、美しく魅力的。さらに当時の台北の繁栄ぶりも再現する。劇中で使われる主な言葉は台湾語と一部の日本語。撮影には骨董品の自動車を1台借り受けて使用することで当時の台北を再現するなど、その時代の雰囲気づくりに力を入れた。
 
『北城百画帖』は準備から完成まで約1年。SF部分の特殊効果も加えて今年3月末前後に完成する予定で、張さんは、台湾のSFドラマの可能性を切り開く作品になることを願っている。現在は20分間のトレーラーが制作されている。
 
張さんはまた、漫画のIP(知的財産権)やライトノベルを映像化する構想をまとめて「翼次元劇場」を立ち上げており、これが台湾におけるSFドラマの発展につながるよう希望している。現在は映画監督の周美玲さんと三映電影(映画)のシナリオライターたちが加わっているとのことで、今後はIP利用の状況に応じて組織を拡大していく考え。
 
 

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