2024/05/05

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台湾漫画のIPに夜明けの輝き④-阮光民さんの漫画『用九柑仔店』実写化へ

2018/02/21
漫画家の阮光民さん(左)の作品『用九柑仔店』がテレビドラマ化されることになった。この作品は2017年の第8回金漫奨(ゴールデン・コミック賞)で「青年漫画賞」と「年度漫画大賞」をダブル受賞したもの。写真右は監督の高炳権さん、中央は脚本の陳潔瑩さん。(中央社)
漫画家の阮光民さんは2017年、作品『用九柑仔店』で第8回金漫奨(ゴールデン・コミック賞)の「青年漫画賞」と「年度漫画大賞」をダブル受賞した。その『用九柑仔店』が近く、テレビドラマ化されることが明らかになった。阮光民さんといえば2012年にも漫画『東華春理髪庁』がテレビドラマ化されたことがあり、実写化はこれで2作目となる。クランクインは今年下半期で、全13回、2019年放送予定となっている。監督は高炳権さん、脚本は陳潔瑩さん。
 
阮光民さんはこのほど開催された台北国際書展(ブックフェア、2/6-2/11)の座談会で、漫画作品の実写化について言及し、「こうした異業種提携は台湾ではまだ少ないが、欧米諸国では日常茶飯事だ」と語り、自身の作品のテレビドラマ化がきっかけとなり、より多くの台湾漫画のIP(知的財産権)に関心が寄せられ、実写化につながるよう願っていると語った。
 
また、阮光民さんは台北国際書展でインタビューを受けた際、自身の作品が実写化されることについて、「こういう感じはとても好きだ」と率直に喜びを表した上で、「漫画家にとって、漫画を描くという過程は往々にして孤独な作業だ。監督でもあり、役者でもなければならないからだ。だから様々な分野のプロが集まって共同で作品を作り上げるとどのような効果が生まれるのか、非常に期待している」と語った。
 
監督を務める高炳権さんによると、実写版『用九柑仔店』は役者を過度に強調したものにならないよう、どちらかというとリアリティを打ち出したものになる。スタイルとしては、日本の是枝裕和監督の作品に近い、「リアリティがあり、且つ美しい」作品を目指す。このため、アイドルのような人気役者を起用したとしても、ドラマ全体としては自然な演出を心掛けるとしている。
 
脚本を担当する陳潔瑩さんも、原作のイメージを「最大限に留める」としながら、同時に「さまざまなステージをクリアするゲームのように、一定のルールの下で、最も面白みを感じるような変化を加えたい」と意気込む。
 
『用九柑仔店』はこれまで実写化された漫画とは違い、ストーリーが完結してから撮影に入る。さらに一部の映画や海外のシリーズドラマにあるような構成を取り入れるとしており、いままでにない新たな演出が期待されている。

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