2024/05/04

Taiwan Today

政治

蔡英文総統、旧暦大晦日の談話を発表

2018/02/21
蔡英文総統は15日(旧暦大晦日)、新年を迎えるに当たって国民へ向けた談話のビデオメッセージを公開した。背景に掲げられているのは台湾の画家、林惺嶽氏の作品『天佑花蓮』。(総統府)
蔡英文総統は15日(旧暦大晦日)、新年を迎えるに当たって国民へ向けた談話のビデオメッセージを公開した。談話全文は以下のとおり。
 
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皆さん、こんにちは。今日は旧暦の大晦日です。1年を終えるにあたり、家族が集まり、一家団らんの時間を過ごす日です。国民すべての皆様にとって、新たな一年が平安で健康なものとなり、何事も思いどおりになるようお祈り申し上げます。
 
私はいま、総統府内の「虹庁」と呼ばれる部屋にいます。私の背後に掲げられている絵画は『天佑花蓮』と題する作品です。
 
総統府を訪れるお客様の多くが、この絵を見て深い感銘を受けます。この作品は林惺嶽先生の作品です。
 
林先生は私にこう話してくれたことがあります。林先生が初めて花東縦谷を訪れたときのこと。そこに広がる景色を見て、深い感動を覚えたそうです。そこで林先生はそこに留まることを決め、この絵を完成させました。
 
2月6日、私たちのこの美しい花蓮が、震災によって情け容赦ない打撃を受けました。被災地は甚大な被害を受け、貴い命が奪われました。そして花蓮に住む人々に恐怖の影を落としました。
 
この機会に、私は花蓮に住む人々に申し上げたいことがあります。皆さん、どうぞ安心してください。どんなことがあっても、全台湾は花蓮の人々と共にあります。
 
台湾は地震帯に位置するため、他国に比べると、我々は日ごろから危機意識を高めておく必要があります。政府は被災地の復興に力を入れるだけでなく、台湾各地で引き続き危険な建築物の点検を行い、補強を急いでいます。
 
政府が地震の発生を阻止することはできません。政府ができることは、しっかりとした防災システムを確立し、地震による損害を最低限に抑えることです。政府はすでにこの作業に取り掛かっています。
 
2月6日の震災発生後、私は花蓮を2度訪れました。そこでは、総動員で災害支援に取り組む国軍や、各自治体から派遣されたレスキュー隊が自らの危険も顧みずに行方不明者を捜索する姿を見てきました。そして、まさにそのとき台湾の社会が愛で満ち溢れ、一致団結していることを感じました。
 
ある民宿の主人は、空いている部屋を進んで被災者に提供しました。ある民間の業者は自ら購入したH形鋼を提供し、傾いたビルが倒れないように支えてくれました。行方不明者の捜索はできないけれど、レスキュー隊に朝食を作って提供することはできると言う若者たちもいました。災難の中にあって、私たちは互いに助け合うという、人間の最も美しい側面を垣間見ることができました。
 
私は国民の皆様に申し上げます。これこそが、私たちの台湾なのです。あの一致団結があったから、私たちが災害に打ち負かされることはありませんでした。私は、台湾に住む人々が永遠に、窮地における真心を覚えてくれるよう願っています。
 
同時に、今回の地震で国際社会から多くの励ましとお見舞いのメッセージが寄せられたことも忘れないでください。今回受けた恩は、いつの日かきっと倍にして返しましょう。これこそが我々台湾の人々の真心だからです。
 
今回の震災では、中国大陸の観光客9名が犠牲になりました。人道援助において台湾と中国大陸の間に距離はありません。我々は最大限の努力をしました。私たちは、亡くなられた方のご遺族と同じ悲しみを感じています。新たな一年、ご遺族の方々が悲しみから立ち直り、心の平安と静けさを取り戻せるよう祈っています。
 
春節(旧正月)は台湾海峡両岸の人々にとって最も重要なイベントです。旧暦大晦日、そして元日から旧暦15日の元宵節(今年は新暦3月2日)にかけて、台湾海峡両岸ではいずれも似たような伝統、風習、イベントが行われます。人的交流やメディアの報道などを通して、双方の心理的な距離も縮まります。中国大陸の皆様、そして全世界の華人の皆様に、この場をお借りして新年のご挨拶を申し上げます。
 
この1年を振り返って見ると、台湾経済の発展は私たちに自信を取り戻させてくれました。昨年の経済成長は予想を上回り、輸出総額は過去2番目に多く、失業率は過去17年間で最低となりました。数日前の大納会(2/12)では、台湾証券取引所加権指数(TAIEX、=台湾の株式指数)の終値が1万ポイントの大台に乗りました。大納会で加権指数が1万ポイントの大台に乗るのは史上2回目のことです。
 
さらに重要なことは、政府と皆さんが一緒に努力し、台湾経済の体質を変えようとしていることです。我々は「5+2イノベーション産業計画」を推進し、産業のレベルアップを図っています。今年は「前瞻基礎建設(将来を見据えたインフラ建設)計画」を推進し、台湾に足りないインフラ建設を全面的に補っていきます。同時に内需と投資の拡大も目指します。
 
産業の競争力と経済のエネルギーをさらに高め、そして政府が提唱する賃上げ政策に企業が協力すれば、私たちはきっと長く続く賃金の伸び悩み、さらには賃下げの苦境から脱却し、苦労して頑張る台湾のすべての人々が経済成長の恩恵を被ることができるようになるでしょう。そして私たちは、より強大な実力をもって、経済の外的要因やリスクに対応することができるようになるでしょう。私は台湾の未来に対して自信を持っています。
 
最後になりますが、旧正月期間中も働き、台湾のために尽くす人々に対して、とりわけ感謝申し上げます。明日(2/16、旧暦元日)は新たな年の始まりです。皆様に重ねて、新年を迎えるご挨拶を申し上げます。国民の皆様が、よい年を迎えられるようお祈り申し上げます。

 

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