2024/05/19

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ベルギーの「小便小僧」が台湾客家の衣装を着用

2018/03/08
ベルギーの首都、ブリュッセルにある「小便小僧」が現地時間の7日、初めて台湾におけるエスニックグループの一つ、客家の衣装を着用。除幕式では客家の歌や踊りも披露された。(左は客家委員会提供、右は中央社)
ベルギーの首都、ブリュッセルにある「小便小僧」は世界的に有名。この身長わずか55センチメートルの「おチビちゃん」は毎年数え切れない外国人観光客を引き付けている。この「小便小僧」が現地時間7日、「台湾における客家の子ども」へと変身した。客家人は華人のエスニックグループの一つで、客家語の他、衣服・布地や飲食、芸能で独特の文化を持つ。台湾では閩南人(ルーツを中国大陸の福建省に持ち、閩南語=台湾語を話す人たち)に次いで大きなエスニックグループを形成している。
 
現地時間の午前11時、ブリュッセル市庁舎で、客家のデザインを施した衣装の贈呈式が行われた。同市文化局のAnne Vandenbulcke局長、同市議会議員のHamza Fassi-Fihri氏、そして「小便小僧」友の会(Ordre des Amis de Manneken-Pis)の代表らが立ち会い、中華民国(台湾)の駐EU(ヨーロッパ連合)兼駐ベルギー大使に相当する曽厚仁駐EU代表が「小便小僧」委員会の代表に衣装を贈呈するのを見守った。
 
贈呈式が終わると、参加者全員が同市庁舎のある大広場から「小便小僧」の銅像まで移動。数百メートル移動する間、このほど中華民国(台湾)で内外の客家人を対象とした政策を担う客家委員会(日本の省レベルに相当)が選んで派遣した、内埔国民小学(小学校=台湾南部・屏東県)の生徒8人が踊りを披露。移動する人たちのパレードを賑やかに盛り上げ、外国人観光客の目を引き付けた。
 
その後、「小便小僧」委員会の代表と曽厚仁駐EU代表が一緒に除幕式を行い、客家の衣装を身に着けた「小便小僧」がお披露目された。衣装は実践大学(台湾北部・台北市など)服飾デザイン科の葉立誠助理教授(assistant professor)が製作。青色の「大襟衫」(首から右脇へと留める襟の中国式シャツ)と「大襠褲」(幅の広いズボン)のデザインを用い、さらに伝統的な靴を合わせている。
 
除幕式の後にも内埔国民小学の生徒たちによる踊りが10分間披露された。この踊りは「台湾心韻、客家情濃(台湾の心の調べ、客家の深い情け)」と名付けられており、台湾における客家人のシンボルであるアブラギリの花や、高雄市(台湾南部)美濃区で暮らす客家の人たちの伝統的な産業として知られる唐傘などの特色を盛り込んだもの。客家の軽快な歌と踊りが集まった人たちの目を楽しませた。なお、贈呈式から除幕式の映像はインターネットで見ることが出来る。
 
「小便小僧」を「台湾における客家の子ども」に変身させることになったきっかけは、昨年、外交部(日本の外務省に相当)に届いた台湾の人からの手紙。その手紙は、「『小便小僧』は異なる国の衣装をよく着ているので、台湾の特色を持った衣装を着せることはできないか」と提案するものだった。今回、「小便小僧」が中華民国(台湾)における客家の衣装を着たのは各国の衣装と同様にこの日、1日限り。着用後は専用のワードローブに収められる。ブリュッセル市によれば、寄贈者は自国の建国記念日、並びに特別なスポーツ大会、文化イベントなどを行う際、「小便小僧」にその衣装を再度着用してもらえるよう申請することが可能だという。
 
 

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