2024/05/05

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台湾の法医研究所、新DNA保管室を運用開始

2018/03/15
法医研究所のDNA保管室にある冷凍設備。本来の摂氏マイナス20℃の設備のほか、3台の摂氏マイナス80℃でDNAサンプルを保管する冷凍設備が設置され、それぞれ2万検体が保管できる。(中央社)
法務部(日本の法務省に相当)法医研究所は14日、DNA保管室の運用開始式典を開催した。
 
検察のトップを担う顏大和検察総長は、「DNA鑑定に関する設備や技術は、日に日に進化している。しかし、最も重要なのは、いかに完全に検体を保管するかということ。さもなければいかなる高度な設備や技術も検体の損傷を起こしかねず無駄になる」と強調した。
 
総費用699万台湾元(約2,530万日本円)をかけDNA保管室が建設されたことは、司法改革のプロセスにおいて、非常に重要な節目となった。後日鑑定が必要になるDNAサンプルを保管するほか、司法機関が過去に起きた事件について、証拠を再検証する機会を提供することを示している。これは人権擁護の面からも極めて重要だとして、法務部は顏大和検察総長が先見の明を持ってDNA保管室建設をすすめたことに謝意を表した。
 
DNAの鑑定は、刑事犯罪の調査をサポートするだけでなく、法医研究所が2009年から現在までに身元不明だった2322体の遺体をDNA鑑定によって遺族に引き渡すのにも一役買った。さらには、失踪した子供のDNAサンプルの鑑定で、5人の子供を見つけることに成功した。
 
法医研究所によると、DNA保管室には本来の摂氏マイナス20℃の設備ほか、3台の摂氏マイナス80℃でDNAサンプルを保管する冷凍設備が設置されている。大きさはそれぞれ2万検体が保管でき、保管できる期間は30年にもおよぶ。今後は、必要に応じて、裁判所の同意を得てから、最新技術によるDNAサンプルの保管・鑑定を行い、人権の保障、事件調査の正確性を維持することができることに期待が寄せられる。

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