2024/05/02

Taiwan Today

政治

飴細工から飾りパンまで、世界一を狙う裴志偉さん

2018/03/16
私立弘光科技大学餐旅管理系の助理教授でもあり、飴細工のパティシエとしても知られる裴志偉さん(写真)は、今年2月に初めて「飾りパン」の世界大会に出場。甲冑姿の兵士をテーマにした作品『蛻変』で金メダルを獲得した。優勝確定後、国旗を掲げて記念撮影をした裴志偉さん。「国旗を掲げることで、私が台湾から来たということ、台湾はすごいんだ、ということを全世界の人に伝えたかった」と語った。(裴志偉さん提供、中央社)
私立弘光科技大学(台湾中部・台中市)餐旅管理系(=レストラン旅行業管理科)の助理教授であり、飴細工のパティシエとしても知られる裴志偉さんは、今年2月に初めて「飾りパン」の世界大会に出場し、金メダルを獲得した。この6年間に世界大会で獲得した金メダルは5個に達する。裴志偉さんはそのこだわりと努力によって、「成功は決して偶然の幸運ではない」ことを証明している。
 
裴志偉さんは今年2月、ドイツのシュトゥットガルトで開催されたコンクールで、世界15カ国・地域から集まったトップクラスの選手たちと競い、甲冑姿の兵士をテーマにした作品『蛻変』(高さ65㎝、重さ8㎏)と、フクロウをテーマにした作品『重生』(高さ100㎝、重さ7㎏)を出品した。その結果、飾りパン部門で金メダルと銀メダルを各1個獲得し、さらに総合優勝を勝ち取った。
 
飴細工のパティシエとして知られる裴志偉さんにとって、実は飾りパンでのコンクール出場は初めての挑戦だった。それにも関わらず、台湾のパティシエの腕前を世界にアピールすることができた裴志偉さんは、「全く新しい戦場と技術だった。自分にとっても、新たな世界へ挑戦するための節目となった」と語った。
 
裴志偉さんによると、作品『蛻変』は甲冑を構成するパーツ1枚1枚を作るにも1時間かかり、顔の部分に至っては少なくとも3回の失敗を繰り返し、ようやく生き生きとした表情を作り上げるのに成功した。また、大会当日、シュトゥットガルトは雪が降っており、会場内の湿度もかなり高かった。このため作品『重生』は製作途中で傾いてしまうというハプニングが発生した。しかし、裴志偉さんは途中であきらめることなく、作品を最後まで作り上げた。審査員は作品の高い完成度だけでなく、裴志偉さんの諦めない態度を高く評価。この作品に銀メダルを与えた。
 
裴志偉さんさんのメダル受賞が決まったとき、首席審査員が特別に、「台湾は今回の出場国・地域で最も遠いところだ」と紹介し、受賞者リストにも「台湾」と明記した。裴志偉さんはこれに非常に感激した。そして、今回の成功を助けてくれた周囲の人々に感謝しながらも、「もちろん強い意志があったからこそ、作品を完成させることができたのだ」と語った。
 
裴志偉さんはこれまで飴細工で数々のコンクールに出場してきた。2012年、ドイツのエアフルトで4年に1度行われる料理コンクール、IKA Olympics(世界料理オリンピック)に初出場し、『三国志』に登場する趙子龍をテーマにした飴細工で最高賞の「スーパー金賞」を獲得した。IKA Olympics飴細工部門で「スーパー金賞」を受賞したのは、アジア人では裴志偉さんがただ一人。台湾でも初めての快挙。
 
また、2014年にはルクセンブルクで開催された「Villeroy & Boch Culinary World Cup in Luxembourg」で作品『門神』と『一代梟雄一曹操』を出品。金メダル2個を獲得した。2016年に開催されたIKA Olympicsでも、作品『観心』で金メダル二連覇を果たした。今回裴志偉さんが出場したシュトゥットガルトのコンクールは、IKA Olympicsで入賞したことが出場条件となっている。
 
台湾北西部・苗栗県の徐耀昌県長(=県知事)は15日、裴志偉さんに対して賞状とトロフィーを贈呈し、「台湾の誇り」と称えた。
 

ランキング

新着