世界的に有名なメキシコの民間救助隊「TOPOS(Rescate Internacional TOPOS)」が20日から29日まで、外交部(日本の外務省に相当)の招きを受けて台湾を訪れている。「TOPOS」の一行は、内政部消防署(日本の消防庁に相当)が開設する「城市救援訓練専班(=都市における救助訓練に関する専門課程)」に出席し、台湾と災害救助の経験を共有する。都市部での災害救助能力を強化するのが目的。
「TOPOS」の一行11人は21日午前、内政部消防署が新北市新店区(台湾北部)にある「国家災害防救科技中心(National Science & Technology Center for Disaster Reduction)」で開催した訓練開始式に出席した後、消防署の南投訓練センター(台湾中部・南投県)へ移動。今後1週間、訓練課程に参加することになっている。外交部ではこの期間中、劉徳立常務次長(=事務次官)主催の宴席を設けるなどして、「TOPOS」一行への歓迎と重視の立場を示す。
「TOPOS」は1985年のメキシコ大地震をきっかけに結成された。過去には2001年9月11日の米同時多発テロ事件や、ハイチ、ネパール、フィリピンなどにおける重大災害で救助活動を行っている。1999年9月21日に台湾中部を震源とする大地震が発生した際にも人員を派遣し、行方不明者の捜索に協力。その活動は台湾社会に強い印象を残した。「TOPOS」は今回、台湾の関連組織と災害救助の貴重な経験を共有すると共に、台湾とメキシコの協力関係と交流の強化に努める。