2024/05/01

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エッフェル塔のマーク残る橋梁、中横公路の歴史語る

2018/03/22
台湾の中央部を東西に横断する自動車道「中横公路」に残る橋には、仏エッフェル社が残したエッフェル塔のマーク入りのプレートが残されている。「中横公路」の歴史を語るもので、文化的にも高い価値を持つ。(中央社)
台湾の中央部を東西に横断する自動車道「中横公路」は、「南横公路」、「北横公路」と並ぶ台湾三大「横貫公路」の一つ。1956年7月7日より建設が始まり、1960年5月9日に完成した。この「中横公路」にはいくつかの美しいトラス橋がある。そこには、仏エッフェル社が残したエッフェル塔のマーク入りのプレートが残されている。「中横公路」の歴史を語るもので、文化的にも高い価値を持つ。
 
太魯閣(タロコ)国家公園管理処は現在、太魯閣遊客中心(旅客センター)の特別展示室にて「中横時光隧道档案展」と名付けた特別展示を行っている。展示しているのは「中横公路」の建設や改修にまつわる貴重な写真や文物など。中でも特別なのが、エッフェル塔のマークが入った鉄製のプレートだ。それは戦争の歴史を語るものでもある。
 
太魯閣国家公園内には旧「長春橋」や旧「春暉橋」、それに公園内に現存する「関興駅」、「慈雲橋」、「慈航橋」などがある。これらはいずれも同じ鋼材で作られた橋梁である。
 
この鋼材はもともと、仏政府がエッフェル社に委託し、当時の植民地ベトナムのために設計させた1000mmゲージ用鉄道に使われるものだった。1954年に発生したディエンビエンフーの戦いの影響で、ベトナムに届けることができなくなり、一時はタイに預けられていた。その後、紆余曲折を経て台湾の中央山脈に届けられ、「中横公路」の橋梁として使われることになった。
 
そのうち「長春橋」と「春暉橋」は2013年に引退。同じ場所に同じ姿の新たな橋が架けられ、2014年4月25日に開通式が行われた。
 
また、「慈雲橋」は花蓮県文化局より2015年に有形文化遺産の「歴史建築」の指定を受けた。戦後台湾が米国の支援を受けていた時期の重要な歴史的資料とされたのである。橋梁はリベットと呼ばれる部品で接合されており、旧式の工法で作られている。その鋼材の出所は、当時の特殊な時代背景を反映したもので、建築史あるいは技術史においても価値を持つものとされている。
 

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