2024/05/01

Taiwan Today

政治

台湾の19の医療団体、WHOに台湾のWHA招待を訴える

2018/04/19
台湾の医療従事者による同業者組合19団体は18日に記者会見を開催し、世界保健機関(WHO)の年次総会である世界保健総会(WHA)に台湾の代表が出席できるよう訴える声明を発表した。(中央社)
中華民国医師公会全国聯合会、中華民国中医師公会全国聯合会、中華民国牙医師公会全国聯合会、中華民国薬師公会全国聯合会、中華民国護理師護士公会全国聯合会など台湾の医療従事者による同業者組合19団体は18日に者会見を開催し、世界保健機関(WHO)の年次総会である世界保健総会(WHA)に台湾の代表が出席できるよう訴える声明を発表した。
 
第71回世界保健総会(WHA)は5月21日から26日まで、スイスのジュネーブで開催されることになっている。声明では、台湾の代表が今年、WHAに出席できるかどうか現段階では未定だとした上で、「政府あるいは民間組織のいずれも現在、さまざまなルートを活用し、台湾がWHAに出席する意欲があることを積極的にアピールしている」と説明。世界の公衆衛生、医療、防疫、ヘルスケアのパズルは、台湾が参加することによってより完成に近づくと訴えている。
 
さらに、今年の世界保健総会(WHA)のテーマは「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」であり、つまりこれは全ての人が基礎的な保健サービスを受けられることを目指すものだと指摘。台湾では過去数十年にわたり、政府と各医療組織が全力で取り組んだ結果、全ての人が基本的な保険サービスを受けられる「全民健康保険制度(=国民皆保険制度)」が健全な発展を遂げたと説明している。
 
声明ではまた、台湾における健康保険制度の普及率は世界1、2を争う高さであり、台湾はその経験を他国と共有し、世界に貢献する用意があることを強調している。最後に「台湾の19の医療団体はこの場を借りて呼びかけたい。今年の世界保健総会(WHA)に台湾の代表が招かれることを願う。台湾は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジと公衆衛生の一翼を担い、全世界の人類の健康のために努力したいと考えている」と結んでいる。
 
これらの団体は今年も、昨年以上の規模の団体をジュネーブに派遣する。台湾の団体は世界医師会(World Medical Association:WMA)と共に、5月22日にジュネーブで開催されるシンポジウムに出席し、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジをテーマに議論する。中華民国医師公会全国聯合会の邱泰源理事長は「たとえ世界保健総会(WHA)の会場内で発言できなくても、会場外で台湾の貴重な経験を分かち合いたい」と期待に胸を膨らませている。
 
なお、中華民国医師公会全国聯合会は現在、「台湾医師会(Taiwan Medical Association)」の名称で「世界医師会」に加入している。中華民国医師公会全国聯合会の王必勝秘書長は昨年10月、「台湾医師会」の代表として米シカゴで開催された「世界医師会」年次総会に出席したが、中国大陸の「中国医師会」が、「台湾医師会」に「Chinese Taipei」への名称変更を求める提案を行うなど妨害を行った。
 
この改称要求問題について王必勝秘書長は、「台湾医師会」だけでなく、台湾の非政府組織の医療団体の多くは中国大陸からの圧力を受け、名称に「台湾」の文字を使わないよう要求されていると指摘。「世界医師会」の年次総会への「台湾医師会」の参加については、「台湾医師会」の努力と交渉の結果、「医療が政治的干渉を受けるべきではない」との立場から、「世界医師会」は「台湾医師会」への名称変更要求を行わないことを決定したが、近く開催されるラトビア共和国での理事会で再び改名問題が蒸し返される可能性がある。「台湾医師会」は全力で対抗する構えだという。

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