2024/04/29

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病気引き起こす異常タンパク質、中央研究院が品質管理メカニズム見つける

2018/06/12
台湾の最高学術研究機関、中央研究院の分子生物研究所で副研究員を務める顔雪琪さん(写真)の研究チームはこのほど、タンパク質による品質管理に関する、あるメカニズムを発見した。(中央研究院提供、中央社)
人類が罹る病気の多くはタンパク質の異常と関係がある。中華民国(台湾)の最高学術研究機関、中央研究院の分子生物研究所で副研究員を務める顔雪琪さんの研究チームはこのほど、タンパク質による品質管理に関する、あるメカニズムを発見した。タンパク質分解の制御機能研究の上で1つのマイルストーンになるという。
 
タンパク質の品質管理分解メカニズムとは、品質管理機能を持つタンパク質が異常なタンパク質を分解し、無害なペプチドもしくはアミノ酸にすることで細胞の健康を保つというもの。しかし、人体において品質管理機能を持つタンパク質は少なく、こうしたタンパク質がどのようにして数え切れない異常な様態からそれぞれの特徴を正確につかみ、異常なタンパク質を見つけ出すのかが、今回の研究チームが特に注目する点だった。
 
同研究チームは2015年の段階で、「CRL2」タンパク質がタンパク質の品質管理機能を持つことを突き止めていたが、今回はさらに踏み込んで「CRL2」の品質管理メカニズムを解明、「CRL2」が様々な受容体(レセプター)の転換を通じて、異常タンパク質の末端にある特定の短いペプチドを迅速かつ正確に見つけ、それにマーキングした上で除去することを発見した。
 
この研究成果はタンパク質の分解スピードの調整精度を大いに高めるとみられ、タンパク質の生物工学の応用上、新たな契機をもたらすものとして期待される。研究チームはすでにこの分解メカニズムが持つ他の生理機能及びタンパク質に対する総合的な影響の検証に着手している。
 
同研究成果は今年5月、国際的な学術ジャーナルの「Molecular Cell」に重点論文として掲載され、特集記事として紹介されている。
 
 

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