2024/05/05

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台湾に医療奉仕で半世紀、呂道南(Fr. Antonio Didone)神父が死去

2018/06/14
宜蘭県羅東鎮の聖母病院で半世紀にわたって医療奉仕を行ってきた呂道南(Fr. Antonio Didone)神父(写真)が13日夜に多臓器不全によって死去した。イタリア生まれで84歳だった。(天主教霊医会羅東聖母病院提供、中央社)
台湾北東部・宜蘭県の羅東鎮にある天主教霊医会羅東聖母医院(病院)は13日、呂道南(Fr. Antonio Didone)神父が同日夜に多臓器不全によって死去したと発表した。84歳だった。イタリア生まれの呂道南神父は1961年、28歳の時に天主教霊医会の命を受け、地球のほぼ裏側となる台湾にやって来た。最初は離島の澎湖に滞在、その後1967年に羅東の聖母病院に移って奉仕活動に取り組んだ。
 
呂道南神父は、宜蘭県の宜蘭平原(蘭陽平原とも)における医療資源が乏しいことを懸念、1973年、40歳だった呂神父は全てを手放してイタリアに戻り、医学を学び始めた。学習には遅すぎるスタートだったが、当時宜蘭県で最も人材が足らなかった小児科を専攻し、4年後には宜蘭平原に戻って医師として治療にあたった。また、聖母病院の5代目の院長も務めた。
 
呂道南神父はしばしば貧困や重い症状に苦しむ人たちを支援したことで、病人たちからは「萬応公」(万能の神様)と呼ばれ、幼い患者にとってはさらに「院長おじいちゃん」だった。長年の奉仕活動によって1980年に「全国好人好事代表」(全国善人善行代表)に当選、さらに第5回「医療奉献奨」(医療貢献賞)などの賞も受けた。一方で呂道南神父は2000年、進行性核上性麻痺と診断された。
 
昨年末、呂道南神父は中華民国の国民身分証を授与された。その時、宜蘭県の陳金徳代理県長(県知事)は羅東聖母病院に自ら出向いて国民身分証を届けたが、呂道南神父はすでに病状が重く、集中治療室に入院していた。
 
 

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