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ITRI、小型基地局ネットワークのスマート管理技術でSCF審査員特別賞

2018/06/21
工業技術研究院、遠伝電信、明泰科技が共同開発した「ネットワーク自動構築管理技術」が、イギリスで開かれた「SCWS World 2018」のスモールセルフォーラムで審査員特別賞を受賞した。写真は同技術を紹介したブース。「SCWS」でのものではない。(工業技術研究院サイトより)
経済部(日本の経産省に相当)技術処による「科学技術プロジェクト」のサポートを受け、工業技術研究院(ITRI)、遠伝電信株式会社(Far Eas Tone Telecommunications Co., Ltd.)、明泰科技株式会社(Alpha Networks Inc.)が共同開発した、「SON, Self-Organizing Network(ネットワーク自動構築管理)技術」がこのほど、スモールセル(携帯電話の電波が届く範囲)をテーマとする電信技術国際見本市「SCWS World 2018」のスモールセルフォーラム(Small Cell Forum, SCF)で、審査員特別賞(JUDGES’ CHOICE of the SCF Awards)を受賞した。同フォーラムでは、フィンランドのNokia及び日本のソフトバンクも賞を受けている。「SCWS World 2018」はイギリス・ロンドンで開かれた、
 
SCFは世界の電信産業における標準化技術が交流する重要な場。毎年、小型基地局技術での画期的なイノベーションや、産業に大きく貢献した者を選出して表彰、「SCF Awards」を授与している。
 
今回、ITRIの「ネットワーク自動構築管理技術」が「SCF Awards 2018」に参加し、審査員特別賞を受賞したことは、ITRIが小型基地局ネットワークの維持運営管理技術で優れた成果をあげていることを示すという。
 
ITRI情報通信研究所(ICRL)では、これからも小型基地局ネットワークの管理スマート化と維持運営自動化技術を高め、基地局起動時に必要なシステムパラメーター設定を基地局自身の自動設定機能(Self-Configuration)によって終えられるようにする。これにより、小型基地局を「接続即使用可能(プラグ・アンド・プレイ)」にし、パラメーターを手動で設定する負担を大きく軽減出来るという。また、さらには無線通信(Radio Channel)位置測定技術を結び付けて利用者の分布状況を迅速に把握、これに基づいてネットワークのカヴァー範囲を最適化する。これにより、小型基地局のネットワークは自主的な調整能力を持つこととなり、ネットワークの運営効率が大幅に向上することになる。
 
ITRIの「ネットワーク自動構築管理技術」では、利用者を中心とした基地局のネットワーク最適化技術が強調されている他、地下室や大型ショッピングセンターなどでGPSがうまく機能せず、位置を正確に把握できないといった問題も解消する。また、携帯電話の全ての機種に適合し、様々なオペレーションシステム(iOS、アンドロイド、ウィンドウズ)にも対応。利用者は特別なアプリをインストールせずともよく、慣れ親しんだ携帯電話の使い方を改める必要もない。携帯電話がインターネットに接続すれば、ただちに基地局の無線通信位置測定技術によって携帯電話の位置が判明する。室内で数センチといった高い精度での測位を実現するという。
 
ITRI、遠伝電信、明泰科技の共同開発による「ネットワーク自動構築管理技術」は今後、医療現場に導入される見通し。大型の医療機関では医療機器や患者のカルテ、検査物などが治療の流れの中で様々な場所に運ばれ、位置が変わることになる。また、医療スタッフや患者自身も医療機関内でしばしば移動することで位置が決まらず、見つけづらくなる。「ネットワーク自動構築管理技術」を無線通信位置測定技術と結びつければ、病院内での正確な測位機能が提供でき、医療物件や設備の位置、医療スタッフや患者の位置を常に把握しておくことが可能になるという。
 
 

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