2024/05/06

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高雄の漁師、40年前の海難救助で表彰受ける

2018/07/11
高雄の漁船、「大川1号」と「大川2号」が40年前、29人のベトナム難民を救援したことが明らかになり、当時の乗組員やその家族は10日、高雄漁民節の祝賀大会で表彰された。(聯合報)  

台湾南部・高雄船籍の漁船、「大川1号」と「大川2号」は40年前、29人のベトナム難民を救援した。この善行は、関係者が誰も語らなかったため、ずっと知られずにいた。40年後、救援されたベトナム難民の一人、Thai-Nguyen Dangさんが当時の恩人探しのため台湾を訪れたことから、この人助けの一件が明らかになった。恩人の漁師は、高雄で10日に開催された漁民節(漁民の日)祝賀大会で、正式に表彰された。彼らの善行は人間の明るい面を浮き彫りにしている。

 

表彰式に出席したのは、大川一号船長、宋謹安さんの妻、機関部の責任者、機関長(Chief engineer)周遵洪さんの娘、海上特殊無線技士の黄宗舜さん、船員の陳文義さんら。

 

Thai-Nguyen Dangさんら29人は40年前、ベトナムから船で脱出、船の故障により海で遭難、漂流していたところを幸いにも高雄の漁船が通りかかり救出されたという。その後、国際救援活動を行う機関への受け入れが許され、米国などに移住することができた。オーストラリアに移住したThai-Nguyen Dangさんは、このときに命を助けられた恩をずっと忘れることなく感謝し続け、恩人探しのため4月に台湾を訪問した。それで語られなかった40年も前の善行が初めて明らかになった。残念なのは、当時救出するよう指揮した船長や機関長が既にこの世を去ったことだ。

 

高雄の漁師に命を救われたことに感謝したThai-Nguyen Dangさんは、1万豪ドル(約83万日本円)を「高雄市漁船海難救護基金」に寄付した。この寄付を受けて高雄区漁会(漁協)の謝龍隠理事長は10日、Thai-Nguyen Dangさんに「高雄区漁会栄誉会員」の会員証を授与、さらに高雄市の蔡復進副市長は高雄市政府を代表して「栄誉市民」の称号を与えた。Thai-Nguyen Dangさんはこれらの栄誉に感謝し、その場で高雄区漁会に「宋謹安船長賞」を設置し、漁師の善行を毎年表彰したいと申し出た。


Thai-Nguyen Dangさんは、今回の訪問で宋謹安船長の家族と会うことができ、船長の孫に「きみのおじいちゃんはとても偉大な英雄だ。尊敬に値する台湾社会の手本だよ。」と伝えたという。

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